5日、株式会社リミックスポイントは、子会社である仮想通貨取引所「ビットポイントジャパン」において、法定通貨入出金を6日から再開すると発表しました。
ビットポイントでは先月12日にリップルなど複数の仮想通貨がハッキングにより流出する被害を受けており、事件以後から全サービスを停止していました。
同取引所は今後段階的にサービスを再開していくとみられています。
仮想通貨取引などほかのサービスの再開スケジュールにもついても掘り下げます。
要点
6日の現金の入出金再開を皮切りに、徐々にサービス再開の見通しを立てるビットポイント。事件以後の経緯、仮想通貨取引を含む詳細な再開スケジュールを解説します。
7月12日にビットポイントから仮想通貨流出被害
既報のとおり、7月12日にビットポイントがハッキングを受け、仮想通貨が不正流出する事件が発生し、被害総額はリップルを中心に約30億円に及びました。
被害はリミックスポイントが提供している海外の複数の取引所にも及んでおり、概算で総額2.5億円の流出が明らかになっています。
原因はビットポイント内で管理するホットウォレットの秘密鍵が破られたことと考えられています。
16日、ビットポイントジャパンの小田玄紀社長は記者会見で補償対象が約5万人にのぼると発表し、補償額は全て仮想通貨で払い戻すと述べました。
幸いにも流出相当分の仮想通貨をビットポイントは保持しており、最悪の事態は免れたと考えられます。
事件後、ビットポイントの全サービスが停止
事件発覚当日の7月12日から、ビットポイントは「緊急メンテナンス」として取引所内の全サービスを停止していました。
これにより、仮想通貨の取引はおろか、法定通貨の入出金、仮想通貨のほかの取引所などへの送金、仮想通貨ウォレットアプリ「BITPointWallet」および仮想通貨取引アプリ「BITPointLITE」など全てのサービスが使えなくなりました。
すなわちBITPointにアクセスしてもユーザーができることは何もない状態だったのです。
事件後ビットポイントが事実上の活動自粛に入ったことで、東証2部に上場している親会社のリミックスポイントにも、株価急落などの大きな影響が及びました。
仮想通貨取引所は一度ハッキングされると、ユーザーが保有する仮想通貨に被害が出るだけでなく、取引所自体の運営も危ぶまれることになります。
今後このような事件がないように、仮想通貨取引所にはセキュリティなどを万全にし、健全な運営を心がけていただきたいところです。
ビットポイントの再開スケジュール
約1カ月間の自粛を経て活動再開のスケジュールを明らかにしたビットポイントですが、8月6日には法定通貨 (日本円など) の入出金が再開する見通しです。
しかしあくまでも日本円の出し入れができるだけで、この時点ではまだ仮想通貨の取引ができるわけではありません。
以下にビットポイントで受けられるサービスのうち、法定通貨入出金サービスより後の再開スケジュールを示しました。時期は目安となります。
レバレッジ取引、高性能チャート「MT4」使用, 8月9日
仮想通貨の売買取引,8月13日
仮想通貨の送金,9月以降
仮想通貨の預入 (別の取引所から送金の受け入れなど),10月中旬以降
新規口座開設申し込みなどその他のサービス,未定
仮想通貨の取引は8月13日から再開されます。それより前に法定通貨の受け入れだけを再開することで、ユーザーの取引再開の準備期間を与えるものと考えられます。
また、仮想通貨自体を直接送金するのは秋以降になる見通しです。
気になるのは新規登録再開の見通しが立っていないことでしょう。過去にも一度トラブルに見舞われた仮想通貨が、取引などのサービスは再開しても、新規登録だけは長期間にわたり停止されているケースが見受けられます。
以上のことからビットポイントも今年中の新規登録再開を望むのは難しいと考えるべきかもしれません。
まとめ
ビットポイントは7月12日に約30億円の仮想通貨流出被害を受け、全サービスが停止している状態でした。
8月6日の法定通貨入出金の再開を皮切りに、13日には仮想通貨取引が再びできるようになるなど段階的に通常営業に戻っていく見通しです。
しかし新規登録などのサービスは再開未定になっていますので、今、仮想通貨の口座を開きたい人はほかの取引所に頼ることになるでしょう。
忌まわしい事件に見舞われたビットポイントですが、徐々に復活の動きを見せており、今後の動向が注目されます。