要点
・OSCはQuadrigaCX元CEO(最高経営責任者)の故・Gerald Cotton(ジェラルド・コッテン)氏による自転車操業と私的流用が破たんに結びついたと結論付けています。
QuadrigaCX詐欺疑惑がついに決着!?
カナダのOSC(Ontario Securities Commission:オンタリオ州証券委員会)は今日、多くの人が長い間詐欺ではないかと疑っていた仮想通貨取引所QuadrigaCX(クアドリガCX)に関する報告書を公表しました。
仮想通貨取引プラットフォームQuadrigaCXの没落は、Gerald Cotton(ジェラルド・コッテン) 共同創設者兼CEOが犯した詐欺が原因であったと報告書は述べています。
報告書では、この取引所は“ポンジスキームのように運営されていった”とOSC側は語っています。
最後の数カ月間、Quadrigaには資産がほとんど残っておらず、自転車操業で取引所を機能させていたことが分かっています。
その理由として、新規ユーザーが預け入れた資産は、他のユーザーの引き出しに資金を提供するため、すぐに使われていたと実情を明かしています。
QuadrigaCX(クアドリガCX)の破たんまでの経緯
創業者であるコッテン氏が2018年12月に亡くなり、直後からメンテナンスのためにサービスを一時的に停止。
取引所のサイトへアクセスできない状態が続き、顧客の預け資産約160億円相当の仮想通貨へもアクセスができなくなり、ユーザーの動揺が広がった事で問題が明るみになりました。
QuadrigaCXでは、サイトへのアクセスができなくなる前からカナダ国内の大手銀行とのトラブルや、顧客の資金が引き出せなくなるといったトラブルが相次いだ後の創業者死亡に、当初はコッテン氏の死亡ニュースそのものにも懐疑的な声が多数あがっていました。
同氏は取引所のコールドウォレットの秘密鍵を単独管理しており、亡くなった後は誰も資金へアクセスできなくなっていました。
コッテン氏が管理していたコールドウォレットのパスワードを知っている者が見つからず、同氏のパソコンを裁判所任命弁護士へ渡され捜査が続けられていました。
顧客の預けた資金で豪遊三昧!?
QuadrigaCX の故・コッテン元CEOは、複数の取引を作成して取引所のボリュームを偽造し、存在しない資金を使用して他のユーザーと取引。
これらの資金を引き出して他の取引所や現金で取引していたことが分かっています。
OSCのレポートによると、同氏は外部の仮想通貨取引きでおよそ2,800万ドルを失ったのではないかと推定しています。
これらの資金を同氏は自由に使い何年もの間、クライアントの資産はチェックされることなく湯水のように使用され、最終的には取引所そのものをダウンさせたとOSCは指摘しています。
OSCの調査で、同氏はテスラやレクサス、豪華ヨットにプライベートジェットのシェア、複数の不動産と豪華旅行などに費やし、2018年12月9日、コッテン氏はインドへの豪華ハネムーン中に亡くなっています。
同氏の急死以降の調査で、取引所にはほとんどの資金は残っておらず、Quadrigaは操業を停止に至っています。
被害を受けた資産の大まかな内訳についてもOSCは報告書の中で触れています。
上記画像左端に記載されている内訳は上から順に
・監視/管財人が回収または特定した資産-4600万ドル
・QuadrigaプラットフォームでCottenが受けたトレーディング損失-1億1500万ドル
・コッテンが外部プラットフォームで受けた取引損失-2,800万ドル
・生活費と旅行費のためにコテンが流用した顧客資金-200万ドル
・推定営業損失-100万ドル
・その他-2,300万ドル
となっています。
Quadrigaが2019年2月5日に債権者保護を申請した際の総資産額は2億1500万ドルで、その資産は裁判所の監督下にあり、現在破産手続きが行われています。
投資家にとって重要なポイントは、カナダ国内の多くの仮想通貨取引プラットフォームが登録されていない未登録取引所を利用することは、潜在的な危険が伴うため不適切であり、潜在的なリスクが伴うと指摘しています。
最後に報告書では、Quadrigaはカナダの証券規制当局に登録されておらず、クライアントの資産を企業または個人の資金として扱い、コッテン氏はそれら資金を私的に自由に費やし、使用した結果、最終的に同氏がプラットフォーム全体をダウンさせたと締めくくっています。