要点
・新集団訴訟の尚の原告とは誰なのか
BitMEXが集団訴訟問題に直面
(画像引用先 BitMEX)
仮想通貨デリバティブプラットフォームBitMEXと幹部に対し、先日新たな集団訴訟提起がされた事が分かりました。
集団訴訟を提起された理由に、BitMEXと幹部らが意図的にサーバーを凍結させ、不安定な仮想通貨市場で特定の取引注文を受け入れるか拒否するために不正なシステムを使用し、マネーロンダリングおよび振り込め詐欺、無許可送金などを行ったとしています。
先週16日土曜、アメリカのカリフォルニア北部にあるサンフランシスコ地方裁判所に集団訴訟が提出され、BitMEXが違法な活動を実行するために故意に製作設計されたものだと訴えられており、物議を醸しています。
BitMEXは香港系であることは広く知られていますが、事業登録は認可の取れやすいセーシェル諸島にて登録されています。
BitMEX名義で運営されているほかにも、ABS Global Trading Limited名義でも運営が行われています。
BitMEX 集団訴訟の原告に注目が集まる
(※写真はイメージ図)
BitMEXの集団訴訟そのものに高い関心が寄せられていますが、同程度高い関心が集められているのが集団訴訟の原告人として登場するBitcoin Manipulation Abatement LLCで、Pavel Pogodin(パヴェル・ポゴディン)氏が代表を務め、プエルトリコにて拠点を構えています。
同社は昨年11月に仮想通貨デリバティブプラットフォームFTXに対して損害賠償1億5,000万ドルを求める訴訟を起こし、ひと月後の12月に却下されています。
今年に入ると同社は今月上旬に、仮想通貨決済企業のRipple社に対しても集団訴訟を起こしています。
このように、Bitcoin Manipulation Abatement LLC社が仮想通貨関連の企業へ次々と訴訟を起こしていることから、今度はBitMEXが最新ターゲットになっているという見方をしている海外メディアもあります。
なお、訴えを起こされているのは、同取引所の共同設立者Arthur Hayes(アーサー・ヘイズ)氏、Ben Delo(ベン・デロ)氏、Samuel Reed(サミュエル・リード)の3氏と判明しています。
訴訟の詳細
(※写真はイメージ図)
2014年に設立されたBitMEXでは、仮想通貨先物とスワップで互いにポジションをとることができるP2Pトレーディングプラットフォームです。
ビットコインだけで決済するプラットフォームは、人々が少ないお金で大きな賭けをできるため、主にアジア圏で高い人気を誇っています。
一昨年の2018年にアメリカのトレーダーをブロックし始めたBitMEXは、現在のところ、アメリカ国内では事業登録されていません。
昨年には、CFTC(アメリカ商品先物取引委員会)がアメリカ国内のユーザーにアクセス権を与え、取引をさせていたかどうか、取引所の調査を開始したと伝えられています。
106ページにわたる今回の訴訟は、BitMEXとその共同創設者3名を、BitMEXがアメリカ国内にて許可を得ずに毎日平均30億ドルの送金を処理しているとされている問題に基づいていると原告は主張しています。
この訴訟では、BitMEXの違法行為を“驚異的”と表現しており、同取引所の取引量約15%にあたる1,380億ドルは、アメリカ国内からのユーザーに起因すると指摘されています。
提出された書類によると、トレーダーに最大で100倍の高レバレッジ取引を提供。
ユーザーが取引や引き出しの制限なしに、無制限で匿名アカウントを開くことができるため、マネーロンダラーが蔓延。
その結果、BitMEXで取引をする顧客にとって、数十億ドルを超える損失を被ったと訴えています。
今年4月、仮想通貨関連会社など11社に対する集団訴訟で、11社が訴えられていますが、その中にBitMEXの親会社であるHDR Global Tradingも含まれています。
なお、BitMEXでは、今年施行された資金決済法改正による影響を受け、新規登録に関しては日本時間の4月30日23:00:00、既存ユーザは5月1日00:00:00より、日本の居住するユーザーのアクセスを制限し、取引を行うことができません。