韓国政府は、仮想通貨取引からの利益に対し、宝くじや懸賞金と同じような収入分類に当てはめることを検討していることが浮上しました。これが通った場合20%の課税が課せられるようになります。
要点
仮想通貨の取引利益の課税区分を再検討か
韓国最大の日韓経済誌が運営するニュースサイト「パルス」によると、財務省の所得税部門は最近、仮想通貨取引の収益に対し、課税計画の見直しを開始したととのことです。
この変更は、政府がビットコインやイーサリアムといった仮想通貨の取引収益を、キャピタルゲインとしての名目ではなく、「その他の収益」として区分するための最初の一歩を踏み出したのでは無いかと、専門家の間で憶測を呼んでいます。
これについて、匿名の政府関係者は以下のように語っています。
“the finance ministry is yet to finalize its direction but it surely has become more likely for the income from virtual asset trading to be labeled as other income, not as gains from transfer of capitals like real estate properties.”
-財務省はまだ方向性を確定していませんが、仮想通貨取引の収入は、不動産のような資本の譲渡益ではなく、他の収入として区分される可能性が高くなっています。-
韓国における「その他の収益」は、謝礼収入や宝くじ、賞金など定期的に発生しないような収益が含まれており、その内4割の品目に対して20%の課税が課されている。残りの6割は税控除対象になっています。
20%になれば、税務職員にとってもメリットがある?
また、これはユーザーだけでなく、税務局にとってもメリットがある話です。
仮想通貨の取引益をキャピタルゲインとして課税する場合は、仮想通貨取引所からの情報を受け、課税に対する根拠や、正当な市場価値を計算する手間が必要です。
しかし、「その他の収益」になった場合、税務局は取引で得た利益を直ぐに徴収することができるため、手間が省けます。
日本も仮想通貨の収益が分離課税になるか?
日本では現在、仮想通貨の取引で生じた利益に関しては、「雑所得」に区分されています。
そのため、他の所得と合わせた総所得に応じて税金を支払うことになるのですが、利益が695万円を超えた辺りから税率が23%を超え、最大55%(所得税45%+住民税10%)の税金を支払う必要があります。
日本のFXも、「雑所得」に区分されますが、他の所得と合わせずに計算する「申告分離課税」に当たるため、一律税金が20%ですみます。
そのため、日本でも仮想通貨取引で生じた利益は、FXと同じように分離課税にする議論が進んでもいいのでは無いか?と言われています。
まとめ
日本では、仮想通貨の取引で得た利益に対して、課税する額が高すぎると度々言われてきました。
仮想通貨のデリバティブ取引も活発な日本ですが、日本仮想通貨ビジネス協会(JCBA)や交換業協会(JVCEA)は申告の分離課税とするように要望を出してきています。
しかし、金融庁が毎年作成する税務改正について話し合う要望の中に、仮想通貨に対する言及はなく、2020年以降も20%の分離課税になることはなさそうだ。