香港金融管理局(HKMA)がCBDC(中央銀行デジタル通貨)のe-HKDの試験運用について、フェーズ2の準備段階にあると、COINTELEGRAPHが報じました。
報告書ではe-HKDのフェーズ1の結果を受け、次のフェーズの展望が示されています。
e-HKDは「デジタル香港ドル」という意味で、リップル社も試験プログラムに参加していることから、将来性が見込まれる状況です。
e-HKDの詳細を見ながら、近況を確かめてください。
要点
e-HKDとは
e-HKDとは香港のCBDCで「デジタル香港ドル」と呼ばれます。
香港の法定通貨である香港ドルを、デジタルで運用する形です。
e-HKDは、主に不動産資産のトークン化を目指します。
不動産取引として、法定通貨の代わりに用いる想定です。
e-HKDが実用化されれば、経済の活性化につながるでしょう。
不動産をメインターゲットにしており、独自のコンセプトを世界的にアピールできます。
他国から香港の不動産を求める人が想定され、e-HKDでの決済機会が増えるかもしれません。
同国の不動産業界を活性化させるために、CBDCの確立が重要です。
2023年時点で香港のCBDCプロジェクトは、不動産業界をメインターゲットとしています。
しかし運用が軌道に乗れば、日常生活での活用が見られるかもしれません。
e-HKDの試験運用は第2段階へ
e-HKDの試験運用は、第2段階の準備に入ったと報じられています。
HKMAの報告書で、フェーズ1の成功が示されたためです。
フェーズ1では、CBDCアプリケーションに関するユースケースが、複数明らかになりました。
HKMAは該当のユースケースについて、次のフェーズで掘り下げる見通しです。
フェーズ2では、e-HKDの新たなユースケースの探求も視野に入ります。
技術面では、分散型台帳技術(DLT)ベースの設計を用いる見通しです。
以上の決定は、相互運用性やスケーラビリティを考慮したものとされます。
いずれにしてもHKMAは、e-HKD開発の次期段階に入っており、大まかなプランも固まってきているでしょう。
これまでのe-HKDの動向
HKMAは2017年から、e-HKDの開発の検討を一部メディアで報じられました。
実際に2022年11月、e-HKDパイロットプログラムを始めています。
香港は「フィンテック2025」戦略を掲げており、e-HKDはCBDCの商業的な可能性を探るものです。
2023年5月には、リップル社がe-HKD試験プログラムへの参加を表明しました。
同社はこのプロジェクトで、e-HKDを使ったエクイティリースを実演する見通しです。
e-HKDはフェーズ1で、各種決済やトークン化預金などの研究を受けていました。
HKMAの報告書ではプログラム可能性やトークン化、アトミック決済の3領域で、企業と消費者への利益供与の可能性がわかっています。
今後もe-HKDの開発状況によっては、前向きなニュースが生まれるかもしれません。
まとめ
e-HKDはフェーズ1が一段落して、フェーズ2の準備に入っています。
リップル社が開発に加わっているため、今後の進展にも期待がかかるでしょう。
e-HKDは不動産資産のトークン化が目的なので、土地や建物の需要喚起につながりそうです。
実用化で香港経済を変えるかもしれません。
世界中でさまざまなCBDCが開発されるなか、香港でも今後の動向に注目が集まりそうです。