Coinpostの12日の報道によると、世界的な仮想通貨取引所であるBinanceが、イスラム原理主義組織ハマス関連のアカウントを凍結したことがわかりました。
共同創設者であるYi He氏が、中国のメッセージアプリ「WeChat」で公表しています。
今回の行動は、イスラエル当局からの要請に従ったものです。
イスラエルとハマスの衝突を踏まえつつ、今回のBinanceの動向をまとめました。
要点
イスラエルとハマスのこれまでの動き
10月7日、ハマスがイスラエルに対し、ロケット弾を含む大規模攻撃を行いました。
ジェトロによると9日時点で3284発のロケット弾が撃ち込まれたほか、イスラエル南部には多数のハマス戦闘員が侵入しています。
大規模攻撃を受けてイスラエル軍も、ガザ全域にあるハマス拠点への空爆などで反撃しました。
武力衝突は11日時点も続き、双方で死傷者が出ています。
IDF(イスラエル国防軍)によると10日時点のイスラエル側で少なくとも1200人、PA(パレスチナ自治政府)の保険省によると10日午後5時時点のパレスチナで830人がそれぞれ死亡したとされます。
大規模な武力衝突により、多くの人の命が奪われているため、世界中で悲しみの声が上がる状況です。
一日も早く、紛争が終わることを願いましょう。
Binanceがハマスの仮想通貨利用阻止に協力
BinanceのHe氏は、同社によるハマス関連アカウントの凍結を明かしました。
イスラエルの法執行機関の要請により、テロ防止に協力した形です。
ハマスは国連により、テロ組織に指定されています。
そのため当局から凍結要請を受けると、企業は従わなければなりません。
一方でHe氏は、パレスチナの一般ユーザーについては、アカウント凍結をしていないといいます。
テロ組織の関連アカウントのみが凍結対象だからです。
一方でイスラエル警察も、ハマスの仮想通貨アカウントの凍結をX(旧Twitter)で公表しました。
テロ活動に仮想通貨が使われるケースがあり、本件でも当局や仮想通貨業界が阻止に動いています。
X(旧Twitter)では、以下の口コミがありました。
ハマスはイスラエルとの衝突前から仮想通貨を使っていた
ハマスは今回の武力衝突前から、仮想通貨の活用を一部メディアで報じられていました。
たとえば2021年6月に米国下院で提出された法案は、ハマスによる仮想通貨の調達を防止するものでした。
2022年3月にはイスラエル防衛省が、関連の仮想通貨アドレスの押収を明かしています。
このときは30のデジタルウォレットや、12のデジタル口座が対象でした。
一方でハマスは2023年4月、寄付者に対してビットコインで送金しないように告げていたとされます。
ビットコインは追跡可能な仮想通貨であり、資金の流れが外部に知れ渡るかもしれません。
ハマスはこうした動きを警戒したのでしょう。
今回の武力衝突に限らず、テロ組織が仮想通貨で資金調達をすれば、社会的な脅威につながります。
今後も、犯罪目的による仮想通貨活用の阻止が国際的な課題です。
まとめ
イスラエルと武力衝突中のハマスによる、仮想通貨での資金調達が問題になっています。
Binanceは同社において、ハマス関連アカウントを凍結しました。
イスラエル当局も資金調達の阻止へ積極的に動いています。
テロ組織への資金供与は、国際的な脅威につながるのです。
ハマスに限らず、テロ組織の撲滅には、不正な資金ルートも断ち切らなければなりません。