英FCA(金融行動監視機構)によると、世界的取引所のBinanceが、同国での事業ライセンスを取り消したことがわかりました。
取消手続きは5月30日に完了しており、6月7日にBinanceからの申請の事実を公表しています。
この動向によって、日本進出への影響を心配する方もいるでしょう。
Binanceの英国での事業ライセンス取消について、詳細を解説します。
要点
Binanceが英国の事業ライセンスを取り消す
Binanceグループの英国部門である「Binance Markets Limited」が、英国での事業ライセンスを取り消したことがわかりました。
6月7日にFCAが公式サイトで公表しており、そのあとの一部海外メディアの報道で話題になっています。
FCAによると、Binanceは5月30日に取消手続きを済ませており、英国進出が実質的に撤回されました。
FCAはかつて、Binanceに対し厳しい監視をしています。
2021年6月には同グループについて、現地での規制に応じた認可を得ていないという声明を出しました。
一方で同年8月には、Binanceがライセンス取得における必要条件を満たしたとコメントしています。
CoinpostはBinanceの担当者の見解として、FCAから取得した認可が将来不要になる可能性が高かったことを示しました。
以上が本当なら、Binanceの方から身を引いた形ですが、今後のグローバル展開にどのような影響を与えるでしょうか。
Binanceでの欧州における最近の動向
Binanceは最近、欧州での仮想通貨規制「MiCA」への適応に注力していました。
英国への進出撤回も、こちらが関係しているかもしれません。
MiCAはEUによって6月に正式承認された、欧州圏での包括的な仮想通貨規制案です。
2024年7月からステーブルコイン関連の規制が発効し、他規定の大部分は2025年1月に施行予定となっています。
またBinanceは6月16日に、オランダ市場からの撤退を発表しました。
同国への進出を計画していましたが、規制機関から事業認可をもらえませんでした。
このようにBinanceは欧州圏への進出をめぐり、ネガティブな状況が続いています。
英国でのライセンス取消はMiCAへの適応も含め、事業体制を見直すためでしょうか。
日本進出への影響はあるのか
2023年にはBinance JAPANが稼働開始する予定です。
しかしグループによる英国進出の断念により、影響を懸念する方もいるでしょう。
現在のところ、Binance JAPANの稼働を断念する発表は見られません。
一方でグループとしては、このところネガティブな報道が続いているので、今後には注意しましょう。
Binanceは現在、米国でもSEC(証券取引委員会)から提訴を受けています。
17日には裁判所により、Binance.USの一時的な資産凍結を取り消されましたが、SECとの対立がまだ続きそうです。
ネガティブな報道が相次ぐ以上、無事に日本版が開設されるまでは、慎重に見守りましょう。
まとめ
Binanceが英国での事業ライセンスを取り消しています。
ほかにもオランダでの事業認可を取れず、米国でもSECからの提訴により先行きがわかりません。
このようにネガティブな報道が相次ぎ、日本版への影響を心配する方もいるでしょう。
今のところ日本進出に関する変更は明らかになっていませんが、今後の動向には注意が必要です。
Binance JAPANが無事に始まる日まで、今後を慎重に見守りましょう。