チャンポン・ジャオ氏(通称CZ)は、世界的取引所のBinanceグローバル版のCEOに続き、米国法人であるBinance.USの会長職も辞任しました。
Binance.USは公式X(旧Twitter)の日本時間29日のポストで、以下の内容を明かしています。
訳:そのため、CZはBinanceを去るだけでなく、当社取締役会の会長としての役割から降りることも決め、代理人の手配を通し投票権も移管させたので、彼の企業における利害は純粋な経済的関係にとどまり、当社の運営にはもう関わりません。
このようにCZ氏とBinanceグループの関係性は薄まっています。
CZ氏の近況を見ていきましょう。
要点
CZ氏がBinance.USを去る
日本時間29日のBinance.US公式Xは、CZ氏の会長職辞任を明かしました。
公式Xでは米国財務省とBinance、CZ氏の間で和解が行われた点に言及しています。
そこでBinance.USは、和解の当事者でないことを示しました。
さらにCZ氏は会長職辞任により、今後の運営に関わらないとのことです。
CZ氏が去ったあとのBinance.USでは、ノーマン・リード氏をはじめとする現経営陣が率います。
CZ氏はすでにBinanceのCEOも辞任しており、同グループに二度と関わらない可能性もあります。
Binance.USもグローバル版と同じく、CZ氏の意向を排除し、新しい方向性を求めるのでしょう。
CZ氏による相次ぐ要職の辞任で、グループは転換期を迎えています。
CZ氏はBinanceのCEOを辞任していた
Binance.USの会長職の辞任前、CZ氏はBinanceのCEOも降りています。
日本時間22日の公式Xで、CZ氏は以下のように辞任を表明しました。
後任のCEOにはリチャード・テン氏が就任しています。
テン氏はBinanceの公式ブログで新しいビジョンを公表しており、すでに手腕を振るいはじめる状況です。
BinanceはCZ氏らとともに2023年3月、CFTC(米商品先物取引委員会)から提訴を受けました。
CFTCへの登録なしで、デリバティブ取引をはじめとする各種サービスを米国で提供していたためです。
さらに2023年6月には、SEC(米証券取引委員会)からも提訴を受けています。
ここでは顧客資金の流用をはじめ、13の容疑が訴状に記されていました。
相次ぐ提訴の責任を取り、CZ氏はBinanceのCEOから降りています。
辞任と同時期にBinanceは、米国財務省との和解の結果、約43億6800万ドル(約6500億円)の支払いが決まりました。
CZ氏も個人として、約5000万ドル(約74億円)の罰金に同意しています。
顧客の信頼を失い、大きな損失を受けたことで、CZ氏はBinanceグループから距離を取ることになりました。
世界的仮想通貨取引所は、今後どのように変わるのでしょうか。
まとめ
CZ氏はBinanceへの提訴が相次いだことから、CEOを引責辞任しました。
さらに米国法人の会長職も辞任しています。
そのためBinanceグループはCZ氏の意向を排し、新たな方向性が求められる状況です。
Binanceはマネーロンダリング対策や制裁法違反を認めた結果、米財務省と和解しました。
その結果、企業もCZ氏も多額の和解金が確定しています。
CZ氏が去ったBinanceグループは、失った信用をどのように取り戻すのでしょうか。