NHKによると、仮想通貨取引所であるFTXの日本法人「FTX Japan」は、年内に出金再開になりそうです。
日本版ユーザーにとっては、ひとまず朗報でしょう。
一方でグローバル版は破産審問が始まるなど、余波がまだ続いています。
FTX Japanとグローバル版FTXの各現況を見ていきましょう。
要点
FTX Japanは年内の出金再開を目指す
FTX Japanは、年内の顧客資産引き出し再開を目指しています。
同社幹部がNHKの取材にそう答えました。
出金停止中である顧客資産について、年内の稼働再開に向け、準備を進めているそうです。
FTX Japanでは、すでに日本円出金が再開しています。
しかし仮想通貨のままでは、出金できる状態にはなっていません。
FTXトレーディンググループは自社だけでなく、日本法人も含めて130の関連会社の破産申請をしました。
つまりFTX Japanも破産申請対象であるため、出金制限がかかっているのでしょう。
NHKの取材に応えた日本法人の幹部は、出金制限の背景として、親会社と同じシステムの使用を挙げています。
出金再開を見据え、独自のシステムを開発中です。
こちらに関しては、年内までの運用開始を目指しています。
仮想通貨取引所の出金制限は、ユーザーにとって厳しい状況です。
一刻も早い問題解決を願います。
FTX Japanの出金再開予定について、Twitterでは以下の口コミがありました。
グローバル版FTXでは破産審問が始まる
一方でグローバル版FTXでは、21日から破産審問が始まっています。
FTX初の破産審問を始めたのは、米デラウェア州の連邦破産裁判所です。
FTXのジェームズ・ブロムリー弁護士は、同社のずさんな資金運用を明かしています。
彼によると、たとえばFTXのサム・バンクマン=フリード前CEOは、子会社を通し、バハマの不動産への投資をしていました。
しかし投資金のほとんどは、同社幹部の自宅や別荘購入など、私的なものだったといいます。
さらにブロムリー弁護士は、グローバル版FTXから資金の大部分が、親会社であるアラメダ・リサーチに移された可能性を指摘しました。
そのうえでフリード前CEOを中心とし、少数のグループにFTXがコントロールされていたと語りました。
結果的にこの実態が、取引所運営の失敗につながったと結論づけています。
グローバル版FTXの破産問題は、長期化の可能性があります。
本社拠点をバハマとしながら、米国や日本などさまざまな国で活動していたためです。
以上からグローバル版FTXの顧客資産については、管轄権を有する国がわかりづらいといえます。
また同社の破産申請には、バハマ拠点のFTX Digital Marketsが入っていませんでした。
22日の審問で、FTX本社があるバハマ当局が、米国における統合的破産手続きを受け入れる方針を示しています。
一方でグローバル版FTX側は、フリード前CEOによる海外への資産移転を指摘しました。
彼らによるとフリード前CEOが米国の破産訴訟のダメージを抑えるため、バハマ規制当局との協力で資産移転を進めているといいます。
フリード前CEOを中心とした公私混同の疑惑は、まだ続きそうです。
グローバル版FTXの状況について、Twitterからは以下の口コミが挙がっています。
まとめ
FTX Japanでは、出金制限がまだ続いています。
しかし同社は年内の出金制限緩和を目指し、独自のシステムを開発中です。
出金が再開すれば、顧客資産の大部分が助かるでしょう。
一方でグローバル版FTXをめぐる状況は、混沌を極めています。
フリード前CEOを中心とした放漫経営が指摘されているからです。
さらに彼による独善的な資産活用が、FTX側から主張されています。
以上から解決にはまだ時間がかかりそうです。
まずはFTX Japanでの出金再開を待ちましょう。
しかしグループ全体の経営破綻問題は、まだ長引きそうです。