仮想通貨取引所のFTXが、11日に破産申請を発表しました。
米連邦破産法11条に基づいた手続きです。
今回の破産申請では、親会社のアラメダリサーチや、取引所のFTX Japan、FTX USなど約130社が含まれます。
そのため世界的に影響が及ぶ状況です。
FTXの破産について、詳細を見ていきましょう。
要点
FTX破産について
FTXは11日に破産申請を明かしました。
今回の破産申請では、FTXグループの約130社が対象になります。
日本でもFTX Japanが破産申請対象です。
今回の件で、FTXではCEOが交代しました。
サム・バンクマン=フリード氏は退任になり、ジョン・J・レイⅢ氏が同職につき、残務処理を進める見通しです。
レイ氏は米エネルギー企業であるエンロンの破産監督の実績があるため、今回の対応にふさわしいと見られています。
しかし仮想通貨取引所の破産は各方面への影響が想定されるため、問題解決までは長期戦になりそうです。
いずれにしてもFTXは、このまま仮想通貨業界の最前線から退くでしょう。
FTXの破産について、Twitterでは以下の口コミが挙がりました。
FTX破産のきっかけは?
FTX破産は、アラメダリサーチの財務問題がきっかけです。
そこで明らかになったバランスシートでは、保有資産の大部分がFTXトークン(FTT)と、同種のレバレッジポジション担保分でした。
非主流の仮想通貨が資産の大部分を占めているとして、一部メディアで財務的リスクが指摘されていたのです。
これを受けてBINANCEが保有中のFTXトークンの全売却を宣言するなど、混乱が広まってしまいました。
一方で一部メディアでは、世界的取引所のBINANCEがFTXを買収する可能性が報じています。
しかし10日にBINANCEは買収しないことを発表しました。
アラメダリサーチの破産申請書類では、10万超の債権者、100億ドル(約1兆3880億円)~500億ドル(約6兆9400億円)の負債が記録されています。
資産も100億ドル~500億ドルとされているが、流動性が低いタイプを含んでいるため、負債のカバーは限定的になりそうです。
このような悪条件が積み重なり、FTXは経営困難に見舞われたのでしょう。
FTX破産の世界的影響
今回のFTX破産は、世界的な影響をもたらしています。
FTX Japanも10日、関東財務局から業務停止命令を受けました。
2022年11月10日~12月9日の交換業務停止要請です。
さらにユーザーの入金受け入れも停止を命じられました。
欧米でも重要機関による、FTX破産騒動の注視があります。
たとえば金融安定理事会(FSB)の欧州協議会は10日の会合で、仮想通貨規制促進やリスク対策政策などを議論しました。
これがFTXを意識したものとされます。
THE BLOCKもホワイトハウスのFTX注視を報じています。
このように世界的な影響は明白です。
有名な仮想通貨企業の倒産により、世界的な混乱がまだ続くでしょう。
まとめ
FTXは世界的に影響のある仮想通貨取引所なので、今回の破産申請に衝撃を受けた方も多いでしょう。
最近は日本進出も話題になったばかりですが、急転直下の転落劇になりました。
財務状況の危機や、BINANCEの買収断念などネガティブな要素が積み重なり、債務履行が困難になったと思われます。
仮想通貨取引所の経営破綻については、各国の重要機関が注視しており、余波はしばらく続きそうです。
経営破綻の真相は、どこまでわかるのでしょうか。