イーサリアムの大型アップグレード「The Merge」完了が近づいています。
そのなかで、ハードフォークへの懸念が高まってきました。
国内の仮想通貨取引所では、すでにハードフォーク発生時の対応策発表も見られます。
イーサリアムPoWフォーク懸念に対する、取引所各社の動きをまとめました。
要点
イーサリアムのハードフォーク懸念とは
イーサリアムの「The Merge」後には、ハードフォークが懸念されています。
ハードフォークとは、ブロックチェーンの分岐現象です。
過去にもイーサリアムとイーサリアムクラシックなどの事例があります。
今回懸念されるハードフォークは、一部メディアで「PoWフォーク」とも呼ばれるものです。
イーサリアムがアップグレード後、コンセンサスアルゴリズムを変えるのが原因とされます。
正確には「PoW(プルーフ・オブ・ワーク)」から「PoS(プルーフ・オブ・ステーク)」へ変わる形です。
アップグレードの「The Merge」は9月15日前後を予定しており、そのときになってみないとハードフォークが起きるかはわかりません。
イーサリアムのマイナー主体であるガバナンスグループ「EthereumPoW」も発足しました。
従来のPoWによるマイニングを続けられるように、イーサリアムのブロックチェーン分岐を狙っています。
ハードフォークによって、PoWを維持した別のイーサリアム系仮想通貨が生まれる可能性があるのです。
イーサリアムのハードフォーク懸念について、以下の口コミが寄せられています。
国内仮想通貨取引所のハードフォークへの対応策(8月24日時点)
今回の懸念を受け、国内仮想通貨取引所でも、イーサリアムのハードフォークへの対応準備を進めるケースが出ています。
2022年8月24日時点で、少なくともbitbank、bitflyer、Huobi Japanが対応策の一部を明かしています。
それぞれの動向を確かめましょう。
bitbankは、PoWハードフォークで生まれるとされる通貨を「ETHW(仮)」と呼んでいます。
しかし取り扱いは未定です。
bitbankはETHWを扱わない場合、同取引所からユーザーへの付与はしません。
ETHW取引開始には、bitbankによるリスク評価に加え、JVCEA(日本暗号資産取引業協会)の規則に応じた手続きも必要になります。
以上からbitbankは、ハードフォークの新イーサリアム系通貨の取り扱いに慎重のようです。
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bitflyerは、The Mergeによるハードフォークで生まれる仮想通貨を「ETHPoW(仮)」と呼んでいます。
顧客からの要望次第では、ETHPoWの付与や上場、価値相当額の現金交付などを検討予定です。
こちらもETHPoWについては、JVCEAの審査プロセスを経なければならないと発表しています。
ハードフォークで生まれた仮想通貨は新種であるため、別途による健全性チェックが必要なのでしょう。
しかしbitflyerは、bitbankよりは新イーサリアム系通貨導入に前向きです。
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Huobi Japanは、イーサリアムのハードフォークが起きた場合、次の2つに分かれることを想定しています。
・PoWチェーンのイーサリアムトークン「ETHW(仮)」。こちらを今後もあり続ける可能性が高いとしている
以上を踏まえ、The Merge後にフォーク対応があった場合、ETH2.0アップグレード前のイーサリアムのスナップショットを確保します。
成功時にイーサリアムは1:1の割合でETHSに自動変換を受ける予定です。
Huobi Japanはこの場合の「ETH」について、市場から消える可能性も紹介しています。
フォーク非対応なら、ETHトークンの名称は引き続きメインチェーンに使われるそうです。
それでも以上から、Huobi Japanはハードフォークの新イーサリアム通貨上場に前向きといえます。
まとめ
イーサリアムがThe Merge後にハードフォークを起こす懸念が高まっています。
これを受けて国内でも、対応策を公表した取引所が現れました。
The Merge後に何が起きるかは、アップデート完了後でないとわかりません。
取引所がハードフォーク発生後の対応策を明かすのは、それに対するユーザーの不安を取り除くためでしょう。
イーサリアムのThe Mergeは9月中旬に完了予定です。
それまでは続報を見守りましょう。