菅内閣が特別定額給付金の再配布を示唆したことで、2回目の10万円給付金が貰えるのではないかという期待が高まっています。
1回目の給付では、コロナショックによる経済的なダメージを緩和させることや個人の救済処置として10万円の給付金が全世帯に配布され、仮想通貨だけではなく株式市場などにも影響を及ぼしました。
そこで今回は、給付金の再配布によって市場がどう動くのかを考察していきたいと思います。
前回の給付金はどれほどの影響があったのか
まず1回目の給付金が配布された際の影響を振り返ってみましょう。
日本の大手仮想通貨取引所のbitbankが発表したデータによると、給付金が始まった4月~5月はそこまで変化がなかったものの、6月に入ると10万円ぴったりの入金数が前月比+20~30%程度増加していることが分かりました。
一部の地域を除き、本格的に10万円が給付され始めたのは6月頃であった為、
丁度配布時期と入金数の増加時期が被っていることから、
給付金を仮想通貨に投資した人はかなり多いものと考えられています。
また、日本のみならず、海外の大手仮想通貨取引所Coinbaseでも、
一時的に給付金1200ドルぴったりの入金数が激増したことから、
世界規模で給付金を投資に回す傾向があったことが伺えます。
10万円の給付金のうち半分は貯金、もう半分は投資に回すといった考えの人も存在していたと思いますので、
実際はもっと多くの人々が給付金を仮想通貨に投入したことでしょう。
この結果から、給付金の配布によって仮想通貨の価格に少なからず影響を及ぼしたことが分かります。
給付金の配布はインフレに繋がる可能性がある
給付金によって仮想通貨の相場が上がったのは、給付されたお金が市場に流れてきたことが1つの理由だと考えられていますが、他にもインフレの懸念により現金を投資に回す人が増えたことが大きな理由であると言われています。
全世帯に給付金を配布するとなると、約12兆円もの財源が必要となってきます。
ただでさえ、カツカツの予算の中、12兆円もの大金を何度も用意するのは簡単ではありません。
もし予算がオーバーしてしまうのであれば、政府は国債を発行して財源を確保する可能性が高まってくるでしょう。
その国債は日本銀行が引き受けることになり、結果的に国債の金額分、日本円が刷られることになりますので、世界に流通する日本円の量は増加します。
すると、日本円の価値は下がり、物価や株などの投資商品の価格は相対的に上がることから、
仮想通貨も同じように価格が上がると考え、大金を投入する投資家が多数現れることでしょう。
2回目の給付金はどれほど影響を及ぼすか
もし2回目の給付が現実となるのであれば、給付金を仮想通貨に回す投資家は前回よりも増加すると考えられています。
まず、2回目の給付と1回目の給付金では、人々の危機感が全く変わってきます。
1回目の給付時は、経済が非常に不安定な状況にあり、リストラなどのリスクが非常に高まっていました。
その為、投資よりもその場をしのぐために現金を貯めておく判断をした方は多いでしょう。
しかし、現在は急激に経済が回復した影響で、会社が倒産するリスクが低くなったことから、心に余裕が出てきた方も多いかと思います。
その状況で10万円の給付が施行されると、貯金ではなく有効活用しようと仮想通貨へ投資する傾向が高まると考えられています。
また、現時点では一部の人間しかインフレに対するリスクを考えていませんが、
繰り返される給付金により、次第に世間全体にインフレの懸念が広がる可能性が高く、
今は投資をしたことがない人でも投資に興味を持ち始める人が増えるでしょう。
新規の投資家が増加するとなれば、仮想通貨ブームの再来もあり得ない話ではありません。