ブケレ大統領がマイニングに地熱発電を推奨
中米エルサルバドルのブケレ大統領は今月9日に自身のTwitterで、
ビットコインのマイニング事業に必要な電力を国の地熱エネルギーを、
利用する考えを公表しました。
Tweet文の内容は以下の通りです。
「私は今LaGeoSV(国営の地熱発電会社)の社長に非常に安価で、
100%クリーンで100%再生可能CO2排出量ゼロの火山エネルギーを使った、
ビットコインのマイニング施設の計画を立てるよう指示した。
今回の内容は同国がビットコインを国の法定通貨として活用していく方針に合わせた、
発表であり近年問題に挙げられるビットコインの環境破壊に対してのネガティブ意見に、
左右されないためのベースを確立することを目的としているのでしょう。
先日の同国の発表によりビットコインの価格は一時、
10%ほど上昇しており本案件の注目度の高さが伺えます。
エルサルバドルには数百メガワットの開発ポテンシャル(地熱発電の開発ポテンシャル)を、
有しているだけでなく有効活用出来ていない発電所も数多く存在しているようで、
これらのエネルギーを隣国に送電して買ってもらうよりも、
自国で有効利用された方が地域に利益を還元することに繋がります。
また再生可能エネルギーを活用したマイニング事業は、
クリプト業界でトレンドになっているので、
自然エネルギーに恵まれた国々でこのような取り組みは、
今後益々盛んになるでしょう。
特に環境問題への意識が高いミレ二アル世代以降の、
投資家にとって今後はESG(環境,社会性,企業統治)指標を基に、
投資判断が行われていくことになるので、
仮想通貨業界もこれらの指標に基準を合わせていかなければ、
次世代投資家からの支援を得ることはできません。
環境への悪影響を考慮
ケンブリッジ大学の調査によるとビットコインネットワークの総エネルギー消費量は、
世界の総エネルギー消費量の約0.53%を占有、
消費されるエネルギーの85%以上がマイニング利用されているそうです。
イーロン・マスクをはじめ世界中の評論家がビットコインのマイニングが、
気候変動を悪化させる可能性があると主張していますが、
ARK Investのキャシー・ウッドなど一部の勢力はビットコインのマイニング事業が、
太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入を後押しすることに繋がると、
発言しています。
直近では中国が同国内でのマイニング事業を全面的に禁止しており、
2050年までに温室効果ガスの排出を0にするための目標達成のため、
クリプト業界にも協力を要請する形になっています。
今回の記事のまとめ
- ブケレ大統領がマイニングに地熱発電を推奨
・エルサルバドルのブケレ大統領は同国が地熱エネルギーを利用してビットコインをマイニングすることを検討していると発表した。
・国営地熱発電会社の協力を要請しており国家と国民双方にとって利益が出る形を追求
・一連の発表を受けてビットコインの価格が一時10%上昇した
- 環境への悪影響を考慮
・ビットコインの総エネルギー消費量は世界全体の約0.53%
・ビットコインのマイニング事業が今後再生可能エネルギーの導入を促進するだろう
ブケレ大統領は非常に積極的に新政策のアウトプットを展開しており、
世界中から話題をかっさらっていることからかなりのアイデアマンではないかと、
思われます。
ブケレ大統領自身も「毎日新しいアイデアが生まれる」と、
SNS上で発言しており今後の新しい改革案にも注目が集まります。