2021年第4四半期の仮想通貨ランキングにおいて、シンガポールがもっとも市場をリードしていることがわかりました。
今回のランキングは、アイルランドの「Coincub」というフィンテック企業が調査しています。
シンガポールを拠点とした仮想通貨取引所もあり、今後の同国での発展が世界に影響を与えるかもしれません。
ランキングの詳細と、シンガポールの仮想通貨事情を解説します。
要点
シンガポールが仮想通貨業界をリードしている
Coincub調べの2021年第4四半期の仮想通貨市場ランキングで、シンガポールが1位になりました。
上はCoincubが発表した、仮想通貨業界の縮図を示した世界地図です。
2位がオーストラリア、3位がアメリカになっています。
日本も10位にランクインしており、仮想通貨先進国に入っている状況です。
Coinhubのランキング調査では、さまざまな基準を設けています。
金融機関に仮想通貨が受け入れられている度合いが代表例です。
ほかにも取引所やウォレットの数、規制の健全性、DeFiや関連金融サービスの浸透などがポイントの対象になっています。
以上を勘案した結果、Coinhubの判断ではシンガポールが現在もっとも仮想通貨業界をリードしているという結論になりました。
なぜシンガポールが仮想通貨業界をリードしているのか
シンガポールでは、投資家が安心しやすい環境が整っているとされます。
仮想通貨経済が盛り上がっているだけでなく、建設的な規制が整っているからです。
さらに多くの国民が仮想通貨を持っていることも大きいでしょう。
仮想通貨は投資分野として新しいので、国によっては規制がまったくありません。あっても不十分で、多くの事態を想定していないケースが見られます。
詐欺やハッキングなどのトラブルがあっても、法整備がされていないせいで補償を受けられないリスクもあるでしょう。
しかしシンガポールでは建設的な規制が進んでいるので、トラブルへの対策もしやすくて多くの国民が安心しているようです。
そのおかげか、人口に対する保有者の割合も世界第2位になっています。
国民が仮想通貨投資に積極的なら、市場が発達するのもうなずけます。
近年のアジアにおいて経済成長が目覚ましいシンガポールなので、仮想通貨を味方にすれば国家としての将来性も上がるでしょう。
シンガポールは健全に投資を進めやすい環境を整えているので、業界をリードできているようです。
シンガポールの仮想通貨業界の特徴は?
シンガポールの仮想通貨業界では以下の主な特徴があります。
・通貨庁長官が仮想通貨ビジネスの受け入れに前向きなスタンスを示す
シンガポールにも金融庁(MAS)があり、同国で取引所を運営するにはライセンスをもらわなければなりません。
これは日本の金融庁における仮想通貨交換業者の認定方法にも通じます。
日本ではGMOコインやbitFlyerなどが厳正な審査を受けて、金融庁から健全な取引所とおすみつきを受けているのです。
取引所をめぐる健全な規制が、多くの国民を安心させているのでしょう。
シンガポールの通貨庁長官であるラヴィ・メノン氏は、2021年11月のインタビューで、仮想通貨の取り締まりや禁止を目的としないスタンスを明かしています。
強力な規制は進める方針ですが、これも仮想通貨に関連する企業が健全に運営できるようにするのが目的です。
新たな資産概念に対し、一定の理解を示しながら、健全な運営を促すことがシンガポールのスタンスでしょう。
まとめ
2021年第4四半期において、シンガポールは仮想通貨業界をもっともリードしている国に選ばれました。
国も国民も仮想通貨に前向きであることがうかがえます。
今後の情勢によってはシンガポールの仮想通貨業界が世界に影響を与えるかもしれません。
他の国と合わせて、今後の動向を見守っていきましょう。