麻薬密売人が6000BTC以上が入っているウォレットの秘密鍵を紛失する事態が起こりました。
彼は紙に秘密鍵をプリントして保管していたものの、刑務所にいる間に大家に紙を捨てられてしまったとのことです。
本来は押収される予定だったビットコインですが、ウォレットにアクセスできない為、回収不可能となっているようです。
6000BTCが永久的に失われる
アイルランドのクラムリン出身であるクリフトンコリンズ容疑者は、麻薬の栽培で得たお金で6000BTC以上を購入していました。
そして、麻薬密売の容疑で逮捕されたコリンズ容疑者は、そのビットコインが入っているウォレットをアイルランド裁判所によって押収されてしまいます。
しかし、コリンズ容疑者はビットコインの入っているウォレットの秘密鍵を無くしていた為、押収したウォレットにアクセスできない事態に陥っています。
秘密鍵を紛失した経緯
コリンズ容疑者は、2017年頃に1つのウォレットに6000BTC以上を入れているのは危険だと考え、12個のウォレットにビットコインを分散することにしました。
その際に、秘密鍵を無くさないようにA4の紙にプリントして、その紙をケースに入れて保管していたとのことです。
彼は非常に用心深い性格でしたが、今回はそれが仇となってしまったのです。
コリンズ容疑者は2017年頃に大麻栽培容疑で逮捕されてしまい、投獄中に大家によってそのケースが処分されてしまいました。
ゴミ捨て場の労働者も、秘密鍵の記載されている紙が入っていたと思われるケースを焼却したことを覚えており、故意に秘密鍵を紛失したのではなく、本当に紛失してしまったものと思われます。
秘密鍵の羅列自体暗記できるものではありませんし、投獄によって数年秘密鍵から離れていた影響で思い出すことは不可能かもしれませんね。
ビットコインユーザーにとっては朗報?
一度紛失してしまったビットコインは復活することができません。
その為、今回の事件によって市場に流通するビットコインが6000枚以上減ったことになります。
これは実質的に総発行数が減ったことと同義なので、ビットコイン1枚当たりの価値が上昇したことを意味します。
総発行数2100万のうち6000枚と聞くとそこまで影響力はないように思えますが、2017年時点で既に多くて379万BTC、少なくて278万BTCが秘密鍵の紛失などによって失われているという報告もありますので、皆さんが考えているよりかは6000枚の紛失は影響力が大きいことでしょう。
更に5月にはビットコインの半減期が来るため、これからどんどん発行ペースが減っていきます。
それに対してユーザー数は増えている為、紛失する量は増えていくことでしょう。
なので、これからもビットコインの希少価値は上がり続けるものだと考えられます。
もちろん、自分自身が紛失する側に回ってしまうこともありますので、ウォレットの秘密鍵は複数の紙に印刷していろいろな場所に保管しておくなど、厳重に管理をしておきましょう。
過去にも大量のビットコインが失われている
2012年に、違法薬物などを扱う闇マーケットサイト「シルクロード」が閉鎖された際は、かなりの数のビットコインが失われたと見られています。
2012年時点では、ビットコインの使い道はシルクロードくらいしかありませんでした。
シルクロードの利用者は、追跡を逃れる為だけにビットコインを購入していたので、シルクロードが閉鎖されたことはビットコインの使い道が無くなったことを意味します。
なので、シルクロードが閉鎖された際に放棄もしくは放置されたビットコインの数は相当数になるものと見られています。
仮に放棄されていなかったとしても、8年越しにウォレットにアクセスするのは中々容易いことではないでしょう。