要点
・ライト氏と元パートナーの遺族であるクライマン一家が対立する専門家を相手に、裁判を打ち切るために戦う決定が下されました。
クレイグ・ライト氏、対立者阻止に成功!?
“自称”サトシ・ナカモトを名乗り出て世界中から動向が注目されているクレイグ・ライト(Craig Wright)氏が、「嘘つきで詐欺」であると主張するビットコインメッセージに対して、陪審員の感情や印象を左右し、裁判を害する恐れがあるとして、不利益なメッセージが法廷で読み上げられる事を阻止させることに成功しました。これによって今裁判にてこれらのメッセージが聞かれることはありません。
クレイグ・ライト(Craig Wright)氏は、法廷で「不利益な」メッセージが読み上げられるのを阻止することに成功しました。
ライト氏は何を阻止させたのか
被告側として裁判に臨んでいるライト氏は、ビットコイン関連本の著者、アンドレアス・アントノプロス(Andreas Antonopoulos)氏が、ライト氏が詐欺を犯したと主張する、ブロックチェーンアドレスで署名された145通のメッセージ内容を読み取らないようにする動議を出しました。
クレイグ・スティーブン・ライトは嘘つきで詐欺師です。彼はこのメッセージに署名するために使用される秘密鍵を持っていません。私たちは皆、サトシ・ナカモトです。
というメモを、アントノプロス氏および原告側らは読みました。
問題のメッセージは、ライト氏が「所有している」と主張するブロックチェーンアドレスによって署名されており、ライト氏がそれらのアドレスキーを保持していないことを意味します。
しかし、裁判所は、これらの特定のメッセージは陪審員が聞くにはあまりにも不利であると判断を下し、ライト氏の申し立てを受け入れました。
裁判所の文書には以下のように記載されています。
2019年5月4日のビットコインメッセージに関して、裁判所は、メッセージ自体が被告の性格を真実であると攻撃する裏口の試みであるという被告に同意します。
裁判の中盤、被告側のライト氏と、原告側のクレイマン一家、双方の専門家が話じ終えようとした際に裁判官による決定が下されました。
これは、ライト氏の元、ビジネスパートナーである故・デイブ・クレイマン(Dave Kleiman)氏の遺族が、ライト氏に対して提起した数十億ドルの訴訟の最新状況です。
クレイマン一家は、故・デイブク・レイマンとのパートナーシップを通じて、数十億ドル相当のビットコインを悪用したとして彼を非難しており、ライト氏はそれらの主張を否定しています。
両者による阻止合戦化か!?
クレイマン一家は、4人の専門家にライト氏について代弁させようとしており、彼らの意見は、ライト氏自身がこの裁判で以前に作成した証拠と矛盾するという理由で裁判を打ち切りました。
一方のライト氏は、人気のビットコイン本「Mastering Bitcoin」の著者であるアンドレアス・アントノプロスを含む、クライマン家を代表する5人の専門家の意見を排除しようとしており、両陣営はいくつかの制限をしています。
また、ライト氏は匿名のビットコイン発明者、サトシ・ナカモト氏の公開コミュニケーションに関するアントノプロス氏の証言もわずかですが制限しています。この件に関して裁判所は、アントノプロス氏の証言が意見の文脈で提供されなければならない限り、この点に関するライトの申し立てを部分的に認めました。
アントノプロス氏は、サトシの広報と、サトシ・ナカモトに関連する電子メールについて、関連した証言のみ許可されています。
ライト氏は裁判に対するアントノプロス氏の影響を制限するために再度試みを実行しましたが、裁判所は、アントノプロス氏がビットコインの価格またはビットコインフォークについて証言する資格がないと裁判所にライト氏が求めた件については同意しませんでした。