ETHの時価総額が急上昇
直近で急騰しているETHの価格が4000ドルを突破したという情報が公開されました。
トークンの価値を表す時価総額においては昨日時点で4544億9000万ドルを記録しており、
この数字はBTCの1兆800億ドルに次ぐ価格で、
近年のDeFi人気に比例して価格の上昇が付いてきたと見られています。
先週時点で既にバンクオブアメリカやMastercard、ヴィトンといった一流企業の時価総額を超えており、
創業者のヴィタリック・ブテリンの資産が若干27歳にして10億ドルを突破していることが多くのメディアで取り上げられ話題になりましたね。
未だETHの価格は衰えることを知らず、上昇を維持し続けていますが、
この価格上昇の背景には、
機関投資家からの関心の高まりによる投資活動が主な要因と見られているようです。
コインシェアーズのレポートによると、先月の4月末に機関投資家が3000万ドル以上を購入していることが分かっています。
このような機関投資家は現在、約139億ドル分のETHを保有しているようで、大口クジラ(1万ETH以上保有)の数も先月に入ってから急増しています。
PoS(プルーフ・オブ・ステーク)への移行
ETHに期待が高まる理由はDeFiやNFTの台頭だけではありません。
最も価格に影響を及ぼしていると考えられるのは大規模なネットワークのアップグレードです。
予定されている大まかなアップデートされる内容は以下の通り。
- EIP-1559
- ETH2.0
- EIP-1559
昨年の12月からPoWからPoSへの移行が既にスタートしており、段階的に実装を進めています。
現在はマイニング方式をPoSに変更するための最終フェーズに差し掛かっており、
イーサリアムネットワークを活用する上でのボトルネックとなるガス代の引き下げを行うための仕組み化が進められています。
現状は使い勝手の良いプラットフォームとは言えないイーサリアムですが、
EEA(エンタープライズ・イーサリアム・アライアンス)のような企業間連合組織を中心に、
今後エンタープライズ領域での活用も期待されており、
他のアルトコインと比較した時に実用性が期待されているのではないでしょうか。
しかし、懸念点が全く無いという訳でもありません。
それは、送金処理速度や、ガス代のコストで比較した時にBSC(バイナンススマートチェーン)のようなプラットフォームの方が、ユーザーの利便性が高いということです。
資金力の無い人がイーサリアムベースのDeFiでコインを購入しようと思えばガス代で資金は逆ざやになります。
また、PoSのコンセンサスアルゴリズムを採用しているブロックチェーンはポルカドットやカルダノなど複数存在しており、競合も多い状況です。
PoSに対する懐疑的な見方もあり、
コインの保有量に応じて報酬額が決定されるスキームでは、富の格差を助長する可能性もあり、
安易にこれらのアップデートを喜ぶことも早計なのかもしれません。
まとめ
NFTやDeFiなど話題性のある市場を新しく創出したイーサリアムのクリプト業界への技術的貢献度を考えれば、
今後ETHが無価値になることは考えにくいように思えます。
まずは、今後のアップデートの状況と機関投資家の動き、競合プロジェクトの状況を
合わせて注意深く観察し、客観的に判断することが大事になってくると思われます。