6月10日頃、0.55ETH(約1万5000円相当)を送金する際に、10,668.73ETH(約280億円相当)の手数料を支払ってしまう惨事が起こりました。
これは恐らく、送金額と手数料を入れ違えるミスをしてしまったことで、起こってしまったハプニングだと考えられています。
このハプニングを受けて、ネット上では改めて仮想通貨の自己管理の大切さが重要視されているようです。
イーサリアムの送金で手数料を入れ違えるミスが発生
イーサリアムは送金の際に、ガスと呼ばれる手数料を任意で決めて、送金優先度をコントロールすることができる通貨です。
今回、そのシステムが仇となってしまい、約280億円相当のイーサリアムを支払ってしまったユーザーが出現しました。
このユーザーは、10,668ETHを手数料0.55ETHで送ろうとしたところ、入力を間違えてしまい0.55ETHを手数料10,668ETHで送ってしまったようです。
具体的なユーザーは明らかになっていないものの、280億円相当のイーサリアムを送れる人物もしくは機関はかなり限られている為、近いうち特定される可能性があります。
送金されたイーサリアムはビッサムに着金
約280億円相当の手数料を支払った0.55ETHはビッサムのアドレスに送金されました。
ビッサムはその0.55ETHがコールドウォレットに送られたことを明らかにしています。
また、結果としてユーザーに返金されることなく送金が受理されてしまいましたが、このETHをマイニングしたSparkPoolは、一時的に手数料を凍結する措置をおこないました。
改めて送金チェックの重要性が明らかに
仮想通貨は手数料ミスだけでなく、送金先のアドレスを間違えることで仮想通貨を失ってしまうリスクもあります。
銀行口座であれば銀行が対応してくれる可能性がありますが、仮想通貨の送金ミスは仮想通貨取引所が対応できる範囲外を超えてしまうと、ほぼ戻ってくることはありません。
仮想通貨界隈では"ゴックス"と呼ばれ大変恐れられており、少しのミスで資産を失ってしまうのはかなりリスキーに感じられます。
ただ、人間は慣れが発生していまう為、頻繁に送金をしている人はいつしか注意を怠ってしまうようになります。
何年も仮想通貨を扱っている人であれば、送金先のアドレスを綿密にチェックしたり、手数料の入力を慎重におこなうことも少なくなるでしょう。
今回の件も、まさにそのパターンだと推測されており、280億円相当のイーサリアムを送金する人物ともなると、日常的に送金をしているでしょうから、いくら大金とは言えいつも通りの感覚で送金確認を怠ってしまったのかもしれません。
280億円相当の誤送金に、仮想通貨界隈では衝撃が走りましたが、同時に改めて送金チェックの重要性を再確認できるいいきっかけになったのではないでしょうか。
新手のマネーロンダリングの可能性も?
先ほど結果として、今回のイーサリアムをマイニングしたSparkPoolが、一時的に10,668ETHの手数料を凍結したと述べましたが、その理由として新手のマネーロンダリングの可能性があると発表しています。
約280億円相当のイーサリアムを保有していたユーザーともなると、かなり大物な人物もしくは機関となりますので、綿密に計画を練った上でのマネーロンダリングの可能性も否定はできません。
少なくとも一般人より頭脳明晰で仮想通貨に詳しいことは間違いありませんから、送金ミスに偽装することも難しくはないでしょう。
もちろん、単純に送金ミスの可能性も十分に考えられますが、もし巧妙なマネーロンダリングだった場合、より一層各国からの仮想通貨規制が厳しくなると予想されます。