先週からのイーサリアムとリップル相場は、ウクライナ情勢の影響があったようです。
イーサリアムは下落しましたが、リップルはレンジ相場で持ちこたえています。
しかしいずれにしても、2月上旬からの上昇トレンドが断ち切られました。
主要である2種類のアルトコイン市場において、最近の状況をまとめました。
要点
最近のイーサリアム市場
先週からのイーサリアムの市況を紹介します。
GMOコイン販売中における日足チャートで見ていきましょう。
17日から連続で下落が続き、上昇トレンドから完全に急転してしまいました。
17日の始値は35万9959円です。
しかし20日の終値は29万9019円まで下がっています。
この間は約20.4%の下げ幅になりました。
1月下旬から価格回復の兆しを見せていましたが、すぐに急ブレーキがかかった印象です。
最近のリップル市場
一方のリップル市場です。
こちらもGMO販売所の日足チャートで確かめてください。
こちらは2月4日~2月9日まで急上昇をしたあとは、95円前後の攻防が続いていました。
イーサリアムとは違って、そこからレンジ相場を何とか保っている印象です。
20日時点の終値は89.085円と、先週から少し相場を下げた程度になっています。
上昇トレンドが終わったことには変わらないため、ここから下落が本格化する可能性もあります。
リップルはこの局面を乗り切れるのでしょうか。
ウクライナ情勢の影響は?
最近の仮想通貨市場は、ウクライナとロシア間の緊張状態の影響が取り沙汰されています。
とくに17日のブリンケン国務長官の発言が決定的だったようです。
この日のロイター通信によると国務長官は、ロシア軍によるウクライナへの攻撃準備を整えていることを語りました。
さらに同じ報道でブリンケン国務長官は、ウクライナの首都キエフも標的とする可能性を指摘しています。
複数の国の関係悪化が取り沙汰されると、多くの投資家は有事を予測し、売り注文を殺到させるようです。
以上からイーサリアムの価格下落が起きたのでしょう。
ビットコインでも16日から大きな価格下落が目立っているため、イーサリアムも似た情勢になっています。
このように仮想通貨の景気全体が、ウクライナ情勢の影響で一気に冷え込んだのでしょう。
しかしリップルはイーサリアムのように下落トレンドとはならず、21日時点ではレンジ相場で推移しています。
リップルはビットコインやイーサリアムと違って、会社が発行している通貨です。
そのため、有事における信頼性の高さが買われたと考えられます。
ほかの金融商品では、ゴールドの相場も1月下旬から安定した上昇ぶりです。
ウクライナ情勢のような外交的な緊張状態では、影響を受ける投資分野とそうでないものにわかれるのでしょう。
ビットコインやイーサリアムといった分散管理をする無国籍通貨は、最近投資家からの信用をなくしています。
しかしリップルは金同様に、無国籍通貨と違った傾向です。
まだウクライナ情勢がどのように転ぶかわからないため、仮想通貨市場においては、今後の価格推移を慎重に見守る必要があります。
しかしこの時期においてリップルの下落幅が想定以上に小さい場合は、今後の有事の市場動向の参考にもなりそうです。
まとめ
ウクライナ情勢が仮想通貨市場に影響を与えるなか、イーサリアムもビットコイン同様に価格下落を続けています。
しかしリップルはレンジ相場にとどまっており、独自の値動きになりました。
リップル社が発行しているという信頼性から、有事への耐性が現れたかもしれません。
イーサリアムもリップルも、これまではビットコインの値動きにつられることがありました。
しかし今回の主要アルトコイン2種類は、明暗がわかれた印象です。
今後もバラバラの値動きにいたる可能性があるので、慎重に各市況を見守りましょう。