18社からなる仮想通貨企業のグループが、新しい送金ソリューション「TRUST(Travel Rule Universal Solution Technology)」のローンチを発表しました。
https://coinpost.jp/?p=321384
これはFATF(金融活動作業部会)が定めるトラベルルールを守るためだそうです。
新しいソリューションを開発した目的は、仮想通貨取引所の安全性の確保です。
今後の利用機会を世界規模に広げる方針であることもわかっています。
TRUSTのしくみを見ていきましょう。
要点
仮想通貨送金ツール「TRUST」が運用開始
TRUSTとはFATFが定めたトラベルルールに従って、仮想通貨送金を進めるためのソリューションです。
取引所の安全確保を目的としています。
ハッキングやマネーロンダリングといった不正利用事件が起きるなか、TRUSTによって取引所の安全性を高める狙いのようです。
Coinbaseの発表によると、Trustには18社が開発に関わりました。
多くの企業が賛同しているので、信頼性が高いといえます。
TRUSTのローンチについて、以下のような口コミが見られました。
TRUSTの特徴とは?
TRUSTにはさまざまな特徴があります。
・必要情報は関係企業だけで暗号による共有
・正しい情報が対象取引中に送られるよう、受け手が受金者アドレスの保有を証明できる
・セキュリティやプライバシーに必要要件の基準を設けている。TRUST参加企業は基準を満たす必要がある
顧客情報はひとつの組織だけが抱え込まず、かといってどこにでも大っぴらにしないのがTRUSTのスタンスです。
関係企業だけで最低限の情報共有をすることで、セキュリティのバランスを保つ狙いと考えられます。
参加企業にセキュリティやプライバシーの必要基準を設けるなど、徹底した犯罪対策が特徴です。
FATFが定めるトラベルルール
TRUST開発の根拠であるトラベルルールとは、FATFが定めた仮想通貨取扱いをめぐる規則のひとつです。
仮想通貨取引所で高額送金があったら、送信者と受信者の情報が2つの取引所同士で共有されます。
不正送金だと被害が大きくなるため、犯罪を未然に防いだり、早期解決につなげたりするようです。
トラベルルールに従って共有される情報には、送金者と受信者の名前、取引処理に使われた送金者と受信者のアカウント番号、送金者の住所や個人識別番号などが挙げられます。
取引に関わった人物を記録することで、マネーロンダリングのような悪事を働く者を突き止める狙いでしょう。
TRUSTの採用によって、仮想通貨の送金機能を使う人々が安心できることを願います。
日本からはbitFlyerもソリューション開発に参加
TRUSTはアメリカで開発されましたが、参加企業にはbitFlyerも含まれています。
bitFlyerは国内トップクラスの取引量を誇り、取引所としての知名度が高いのが特徴です。
アメリカの有名企業との共同活動により、信頼性がうかがえます。
TRUSTの参加企業はローンチ時点で18社です。
そこにbitFlyerも含まれていることで、日本での運用化も期待できます。
日本でも将来は安全な取引ツールが採用されそうです。
まとめ
アメリカで新しい送金ソリューションが開発されました。
名前はTRUSTで、仮想通貨取引所における安全な売買成立を目的としています。
これにより不正送金のリスクを抑え、取引所やユーザーが安心できるしくみをアピールできるでしょう。
仮想通貨や取引所をめぐるセキュリティの問題が議論されるなか、TRUSTがひとつの答えを出したといえます。
送金ツール業界においては、今後さらなる発展を期待しましょう。