仮想通貨取引所FTXの前CEOであるサム・バンクマン=フリード氏は、米上院銀行委員会が14日に開く予定の公聴会参加要請について、期限までの返答がなかったことがわかりました。
The Blockが8日に報じています。
フリード前CEOには、公聴会出席を求める召喚状が送られる見通しです。
またCointelegraphによると同氏には、テラ関連通貨の価格操作疑惑も取りざたされています。
フリード前CEOの現在の状況について、詳細を見ていきましょう。
要点
FTX前CEOが公聴会参加拒否か?
FTXのサム・バンクマン=フリード前CEO側は、米上院銀行委員会の公聴会参加要請を無視しているのではないかと報じられています。
公聴会は14日開催予定です。
しかし参加可否について、フリード前CEO側は指定期限である8日午後5時までに返答しませんでした。
上院銀行委員会のシェロッド・ブラウン委員長とパット・トゥーミー議員は、8日遅くに以下の声明を出しています。
出典:The Block
しかしフリード前CEOおよびその代理弁護士は、沈黙を貫く状況です。
前CEOは30日に、FTX破綻やその時点の心境について、仮想通貨系YouTuberのTiffany Fong氏のインタビューで語っていました。
インタビューに応じながら、公聴会への出席拒否をするのは不自然と思う方もいるでしょう。
出席拒否が本当なら、フリード前CEOの印象はますます悪くなりそうです。
14日に開かれる公聴会では、FTXの経営破綻が題材に挙がる予定です。
FTXを題材としているため、フリード前CEOの証言は重要とされます。
経営破綻により多くの消費者に迷惑をかけた以上、彼の言葉は注目を受けるでしょう。
ブラウン委員長は7日にフリード前CEOに送った書簡で、公聴会に参加しない場合は証言を強いる召喚礼状を送ると予告しました。
しかし書簡への返答がなかった前CEOは、公聴会に姿を現さない可能性があります。
このまま沈黙を続けるのでしょうか。
USTやテラの価格操作疑惑で捜査開始の報道も
FTXのサム・バンクマン=フリード前CEOには、テラ関連銘柄の価格操作疑惑も報じられています。
米検察当局が同氏について、現USTCであるUSTの価格操作をしたとして、捜査を始めました。
価格操作が本当であれば、フリード前CEOのスキャンダルにさらなる事件性がともないます。
捜査開始の背景は、FTXと関連企業「アラメダリサーチ」との関係性です。
FTXの当時のフリードCEOが、アラメダへの利益のために、USTやテラ(LUNA)の価格に意図的な影響を与えた可能性があります。
また関係者の一部が、2022年5月のUST暴落時に、FTXが同銘柄の売り注文を出したことを話しました。
そのときFTXは同時に、テラの大量空売りで利益を狙ったといいます。
ここに不正取引の疑いがあるようです。
一方でフリード前CEOは上記の疑惑に対して、価格操作の意図を否定しています。
しかしテラフォームラボのド・クウォンCEOは、8日のTwitterで以下の見解を示しました。
訳:Genesis Trading(仮想通貨融資大手)が価格崩壊直前にSBF(フリード前CEO)とアラメダに10億ドル分USTを出したってわかると思うよ。LFG(Luna Foundation Guard)からの購入は「テラのDeFiエコシステムの参加への興味」という動機とか言いつつペグアタックのきっかけ作りじゃないフリだろ
クウォン氏もテラの暴落後の対応に追われた一人です。
テラ騒動にFTXが絡んでいる可能性がある以上、疑いの目を向けるのは自然な流れでしょう。
果たしてフリード前CEOは、テラ騒動のきっかけまで作ったのでしょうか。
まとめ
FTXのサム・バンクマン=フリード前CEOの疑惑は深まるばかりです。
米の公聴会への出席要請に応じず、さらにUSTなどの価格操作疑惑まで取りざたされました。
テラの関係者もフリード前CEOに疑惑の目を向けています。
果たしてフリード前CEOのスキャンダルは、どこまで真相が明らかになるのでしょうか。