8月30日にクレジットカードなどを扱う大手決済サービスのJCBが、ブロックチェーンの総合ビジネスを手がけるカウリーとの提携開始を発表しました。地域通貨などのトークンエコノミー活用などを目的としており、新しい決済手段の浸透などが期待されます。
要点
クレジットカード大手のJCBがブロックチェーン企業のカウリーと業務提携を開始。提携内容の詳細と社会的な効果などを解説します。
目次
JCBとカウリーの提携内容は?
クレジットカード大手のJCBのブロックチェーンビジネス進出に驚いた人もいるでしょう。提携先であるカウリーの情報も交え、今回の提携内容を紹介します。
カウリーとは?
カウリーは2017年9月13日に設立された東京都渋谷区代々木を拠点とする企業です。
ビットコインの取引履歴などを記録するデータ技術であるブロックチェーンの発展を目指し、総合的な事業を展開しています。
2018年11月にカウリー独自開発によるブロックチェーンシステムの特許を出願したほか、レストランや喫茶店の営業用に仮想通貨決済・管理アプリを提供するなどの実績があります。
このようにカウリーは、ブロックチェーンの社会的実用性のレベルアップを目指し、精力的に活動を重ねています。
JCBがブロックチェーンビジネスに乗り出した
クレジットカードのイメージが強いJCBがブロックチェーンビジネスに乗り出したことは、金融業界に思いがけない発展をもたらす可能性があります。
今回の提携目的は、「トークンエコノミー」の流通です。これは日本などの法定通貨に代わって使われる決済手段の経済圏であり、仮想通貨がその代表例です。
すなわちJCBとカウリーの狙いは、仮想通貨などのトークンによる決済システムを独自に開発し流通させることでしょう。
地域限定のトークンを流通させる?
今回の提携では、トークンエコノミーに対する特定の地域やコミュニティの需要調査も見据えているとされます。
これはただビットコインなどのメジャーな仮想通貨が使える場所を増やすことではないようです。
市区町村や都道府県という地域レベルや、You TubeやAmazonなどのようなサイトレベルに限定したトークンを流通させることで、地域やコミュニティの活性化を目指していると考えられます。
限定トークンエコノミーのメリットは?
日本円をビットコインではなく、特定の地域やコミュニティ限定のトークンエコノミーに置き換えて使用することで生まれるメリットは主に2つあります。
1つ目は従来の仮想通貨のように、価格変動の影響を抑えられることです。
仮想通貨はチャートなどの情報を見ればわかるように、ほかの金融商品と比べて変動性を意味するボラティリティが高いです。
これから仮想通貨で食事代を払おうというときに暴落したせいで、多くを決済に費やすことになることも考えられます。
しかし独自のトークンエコノミーを使うことで、本来の仮想通貨の価格変動に左右されるリスクをある程度抑制できる可能性があります。
2つ目は地域やコミュニティの活性化です。
以上のような特定の場所で独自トークンが流通すれば、新しいアイデンティティが芽生えて盛り上がるでしょう。
独自トークンの支払い用途や稼ぎにつながる活動パターンなどを提示すれば、地域やコミュニティに関係する人に新しい生き方も提供することになります。
まとめ
JCBとカウリーは、地域やコミュニティ単位のトークンエコノミー流通を見据え、調査やシステム開発を目的に業務提携を開始しました。
この活動が発展すれば、新しいブロックチェーンのあり方が我々の生活圏に芽生えるでしょう。
独自のトークンエコノミーが浸透することで、地方の活性化につながったり、新しいインターネットコミュニティのあり方も生まれるでしょう。
今後のJCBとカウリーの活躍が期待されます。