5日のBloomberg報道によると米の大手金融企業であるJPモルガンが、インドでブロックチェーンベースの銀行口座の試験運用を始めました。
試験運用をするのは米ドル建てであり、ブロックチェーンを生かした柔軟な取引を期待できます。
JPモルガンの動向について、詳細を見ていきましょう。
要点
JPモルガンが新しく開発した銀行口座とは
JPモルガンは、ブロックチェーンで運用する米ドル建て銀行口座を開発しています。
こちらをインドで試験運用して、健全に機能するか確かめるのです。
現地では以下の6つの銀行がプロジェクトに参加します。
・ICICI銀行
・Axis銀行
・Yes銀行
・IndusInd銀行
・JPモルガンのインド銀行部門
今回の試験運用では、JPモルガンのブロックチェーンプラットフォーム「Onyx」を使います。
これがあれば、銀行間のドル取引を24時間365日利用可能です。
従来の銀行では営業時間の関係から、取引機会が限られていました。
スケジュールが合わなくて送金を見送らざるを得ず、事業や生活に影響が及ぶケースもあったでしょう。
今回のJPモルガンのプロジェクトは、ブロックチェーンの機能でその制約を乗り越え、取引の柔軟化を目指します。
ブロックチェーンベースの銀行口座は世界的にも新しい試みなので、成功すればインド経済を変えるかもしれません。
Twitterでは以下の口コミがありました。
ブロックチェーン銀行口座運用のメリット
銀行口座をブロックチェーンで運用すると、以下の3つのメリットを期待できます。
・手数料のような経費の削減
・銀行口座の安全運用
ここでの取引の柔軟化とは、24時間365日いつでも取引できる体制です。
仮想通貨もブロックチェーン上で運用されるため、24時間いつでも送金できます。
インドではドル建て決済の場合、米国の銀行の営業時間にしか取引できませんでした。
インドと米国では時差があるため、国際送金がしづらいのです。
しかしブロックチェーンのおかげで、他国の営業時間を気にしないで取引できます。
もうひとつのメリットとして、手数料のような経費の削減が挙げられます。
ブロックチェーンを使ったシステムは、管理運用コストが安いとされるからです。
世界中のノードによる分散管理によって、手数料や口座管理費用をカットできるでしょう。
そのためインドの金融機関にとっても、経費削減を望めます。
このようにブロックチェーンを銀行口座に取り入れれば、自由な経済活動とコストの削減を期待できます。
最後は銀行口座に対する安全性の強化です。
ブロックチェーンは分散管理されるもので、システムトラブル対策につながります。
たとえば特定銀行による集中管理だと、メインシステムが止まればすべての取引ができなくなります。
しかし分散管理ならシステムトラブルがあっても、取引停止は一部に限られ、送金自体は続くしくみです。
銀行口座の利用者が受けるトラブルリスクを、最小限にとどめられるのです。
銀行口座に対するブロックチェーン技術の活用は、柔軟かつ安全な経済活動につながるでしょう。
まとめ
JPモルガンが、ブロックチェーンベースの銀行口座の試験運用をインドで始めています。
成功すれば今後の金融の常識が変わるかもしれません。
ブロックチェーンによって、いつでも安全に取引できるしくみが整うからです。
JPモルガンのインドでの活躍をきっかけに、国際送金のあり方が変わるかもしれません。