レバノン共和国で深刻な経済危機が発生し、法定通貨の価格が暴落している状態が続いています。
この影響で、国民は暴動を起こしだし、遂には国の中枢である中央銀行に放火するにまで至っているようです。
ベネズエラのように、このまま法定通貨の価値がゼロに近いづいていき、国民が仮想通貨の利用に走るのではないかと予想されています。
レバノンの法定通貨が崩壊寸前
レバノン共和国で法定通貨(レバノンポンド)の暴落が発生しているのをご存じでしょうか。
レバノン共和国はカルロスゴーン氏が逃亡した国として、日本でも一時期有名になりましたよね。
そんなレバノン共和国では、以前より債務の累積によって国の政治体制が問題視され、国民からの信用をひどく失っていました。
そして、去年の10月頃から深刻な経済危機に直面しており、元々国に対して不満を募らせていた国民が遂に暴動を起こす事態にまでなってしまったようです。
国民が暴動を起こしたのは、レバノン共和国の法定通貨であるレバノンポンドの暴落が主な原因だと考えられています。
2020年に入ってからの短期間で、レバノンポンドは対ドル換算で3分の1程度まで価値が減少しており、国民への負担が急激に上がったことが伺えます。
短期間で法定通貨の価値が暴落してしまうと、一般人のほとんどは対策をする間もなく貯金していた現金の価値が下がっていき、更に会社から貰える給料もインフレに対応してくれる可能性はほぼありませんので、実質的に給与が激減することになるでしょう。
また、コロナウイルスの影響で失業者も増加したこともあり、職も財産も失った"無敵の人"が国の運営する建物へ攻撃をするようになったようです。
ベネズエラの二の舞か
ベネズエラでは2016年頃から経済危機が始まり、法定通貨のボリバルは1万パーセント以上暴落する事態に陥りました。
このベネズエラの経済危機も、政治のミスが原因によるものなので、今回のレバノンのケースに非常によく似ています。
恐らくレバノンの国民も、直近で起こったベネズエラの経済危機については熟知している為、今後は最悪の事態を想定してリスクを回避する手段を取るようになるでしょう。
ベネズエラでは、未だに経済が復旧せずに、謎の仮想通貨ペトロを国が発行して国民に配布しているほどなので、レバノンも厳しい状況が今後も続くものと見られています。
仮想通貨が利用される可能性が
急激に法定通貨の価値が下がると、今まで投資に関心を持たなかった人々も、リスクヘッジとして現金を別の資産に変える動きをするようになります。
リスクヘッジの手段として一番に考えられるのはアメリカドルでしょう。
法定通貨の中でもトップクラスに安定している通貨と言っても過言ではない為、一般人のほとんどはアメリカドルへの変換を求めるようになります。
しかし、急激にアメリカドルの需要が高まると、今度はドルの供給が追い付かなくなります。
これは過去に法定通貨が崩壊したベネズエラでも起こったことですが、そう簡単に別の法定通貨に逃げ切れるわけではありません。
そこで、一般人が次に目をつけるのが、ゴールドやビットコインといった資産です。
特にビットコインは、ネット環境さえあれば比較的簡単に購入できることから、レバノンの裕福層を中心に、資産を移す動きが見られているとのことです。
経済危機はチャンス?
ここ数年で、いくつもの国が崩壊しかけていることから、世界全体で経済危機が迫っているのではないかと考えられます。
そして、その時がやってきた場合、遂にビットコインの真価が人々に認識され、完全なる安全資産としてその地位を確立する可能性があります。
その為、ビットコイン投資家の中には、経済危機をチャンスと見ている者も多く存在しているようです。