Three Arrows Capitalの債務問題によって、世界中の仮想通貨事業者で混乱が起きています。
複数事業において、仮想通貨の出金を急ぐユーザーが殺到したことから、対応に追われる状況です。
Hoo.comやFinblox、Babel Financeなどが、流動性の問題などから出金制限措置を明かす事態になりました。
最近の仮想通貨をめぐる危機を解説します。
要点
Three Arrows Capitalの問題とは?
まずは現在の問題のきっかけとなった、Three Arrows Capital(3AC)の問題を確かめましょう。
こちらはシンガポールを拠点とした仮想通貨ヘッジファンドで、同国の業界では大手とされています。
3ACは仮想通貨の暴落により多額の損失を受け、債務問題を報じられています。
最近のテラ問題や、世界的な利上げ機運によって、仮想通貨の売り注文が殺到したからでしょう。
ロイター通信の17日報道によると、3ACは資産売却や他者からの救済を考えています。
自力での解決が困難という風評が立つと、仮想通貨業界へのネガティブな影響が広がるでしょう。
そうした意味でも3ACの報道によって、世界各国の仮想通貨事業者へ危機が連鎖しています。
3AC問題がもたらした仮想通貨危機
Coinpostでは、3ACの問題によって、仮想通貨事業者が次々と危機に見舞われているという報道が出ました。
たとえばケイマン諸島にある取引所Hoo.comは、19日に出金対応の遅れを認めています。
その原因として、市場変動による流動性の問題を挙げました。
またHoo.comはこの際、ユーザーがパニックを起こし、出金要請が大量に出ていることまで語っています。
日本時間の21日時点でHoo.comでは、通常出金対応に戻ったようです。
しかし取引所で一度出金制限がかかると、しばらくユーザーの不安は消えないでしょう。
また仮想通貨の預金で金利をもらえるサービスをしているFinbloxでも、混乱が起きました。
16~17日ごろに、ユーザーが毎月1500ドルまでしか出金できなくなったからです。
こちらは日本語対応のサイトもあるため、日本在住の利用者も想定されます。
彼らへの影響もあったでしょう。
Finbloxは問題の起きた3ACの投資先でした。
3ACの債務問題が報じられれば、Finbloxでも流動性にトラブルがあった可能性は否定できません。
金銭面での提携を結んでいる以上、危機を避けられなかったでしょう。
ほかにも香港の仮想通貨金錫プラットフォームであるBabel Financeが17日に出金を停止し、21日時点で再開のメドが立っていません。
さらに仮想通貨の貯蓄口座や融資サービスを担っていたCelsius Networkも、13日に出金を停止して以来、再開のメドが見られないようです。
このように世界中の仮想通貨プラットフォームが、市場不況の影響を受けています。
各機関の問題が、一刻も早く解決されることを願うばかりです。
今回の仮想通貨危機について、以下の口コミも寄せられています。
相次ぐ出金要請パニックは仮想通貨市場にどこまで影響するか
ここまで出金制限の報道が出ると、仮想通貨市場への影響も懸念されます。
業界にネガティブな報道が相次ぐと、それを見たユーザーによる狼狽売りが予想されるでしょう。
最近のビットコイン市場でも、仮想通貨危機の影響が見られます。
GMOコイン販売所の日足チャートで見ていきましょう。
3AC問題が報じられてから翌日の18日に大幅な下落がありました。
一方で19日に反発があり、21日も終値未確定ながら上昇の可能性がうかがえます。
しかし下落トレンド中の価格調整の可能性も否めません。
仮想通貨業界でネガティブな報道が相次いでいる以上、投資家の不安が一服するまでは時間がかかりそうです。
まとめ
世界中の仮想通貨事業者に危機が訪れています。
3ACの債務問題から始まり、その投資先に選ばれていたFinblox、Hoo.com、Celsiusなどが出金のトラブルに見舞われました。
ここまでネガティブな報道が相次ぐと、仮想通貨市場もしばらく揺らぎそうです。
各仮想通貨事業者の問題が一刻も早く解決されることを祈ります。