9月24日、株式投資の大手であるマネックスグループが、仮想通貨取引所であるコインチェックの口座保有をはじめ一定条件を満たした株主に対し、ビットコイン500円分を配布する優待サービスを発表しました。
2020年4月上旬から実施するとのことです。マネックスグループとコインチェックの関係性を交えながら、株主優待の内容を解説します。
要点
マネックスグループが日本円で500円相当のビットコインを配布する株主優待を発表。条件には傘下グループであるコインチェックの口座保有などが設けられる予定です。
マネックスグループのビットコインによる株主優待とは?
株式投資の大手であるマネックスグループは株主優待のサービス内容にビットコインを利用する決定を下しました。
仮想通貨と株式投資は同じ資産運用によく使われる分野です。マネックスグループも2つのジャンルのリンク性に注目し、株主優待に仮想通貨を関連づけることで、資産形成の多様化を狙っているようです。
マネックスグループから株主優待として配布されるビットコインは日本円にして500円分で、2020年4月からサービス開始予定とのことです。
ビットコインの価格は24時間365日秒ごとに変動するため、最終的な数量は神のみぞ知る状態ですが、いずれにしても配布されたビットコインは、値上がり後に売って利益にできます。
それ以外にも、店舗やネットショップでのちょっとした代金の決済に使ったり、ビットコインでほかの安い仮想通貨の購入も可能です。
今回の株主優待を受けられる条件は、9月30日時点で株主名簿に記載され、翌年3月末までにコインチェックに口座を開いていることです。
株主優待の申し込みはコインチェックで開かれる予定の特設ページからできるとされています。
マネックスグループではこれまで、100株以上の同グループの株式をマネックス証券に預けている株主に「マネックスポイント」を与える株主優待も知られていました。
今回ビットコインを使った株主優待を追加することで、株式投資者と仮想通貨投資者の交流も期待できるでしょう。
マネックスグループはコインチェックにとって恩人的存在である
マネックスグループの株主優待にコインチェックが関係するのは、同グループがコインチェックを救済した恩人的存在だからです。コインチェックは現在、マネックスグループの傘下として活動しています。
コインチェックは2012年8月に東京都渋谷区を拠点に設立された仮想通貨取引所です。初心者でも使いやすいレイアウトが人気でした。
加えてビットコイン、イーサリアム、リップルのようなメジャー系だけでなく、ネム、ファクトム、ジーキャッシュなど国内ではレアな仮想通貨まで取引できることで利用した人もいるでしょう。
しかし2018年1月にコインチェックはハッキングを受け、ネムが約580億円相当も流出する被害を受けました。ユーザーの信頼を一気に失ったコインチェックは一時営業停止に追い込まれます。
2018年4月にマネックスグループがコインチェックを買収する形で救済に乗り出しました。
マネックスグループとの提携でセキュリティ体制などを見直したコインチェックは、同年10月30日より段階的にサービスを再開していき、2019年1月11日に一度取り消された金融庁からの仮想通貨交換業者認定を再び受けました。
以上の背景からマネックスグループは株主優待サービスにコインチェックを結びつけ、株式と仮想通貨のリンクを強めようとしているようです。
まとめ
マネックスグループはコインチェックへの口座開設などを条件に、日本円で500円相当のビットコインを配布する株主優待サービスを2020年4月から開始予定です。
コインチェックが株主優待に協力する背景には、マネックスグループがコインチェックのハッキング被害による経営危機からの救済が関係しています。
コインチェックはマネックスグループの提携効果からか、ネム流出事件前よりもセキュリティ体制が強化され、現在では従来どおり初心者でも使いやすい取引所として人気を取り戻しています。
マネックスグループおよびコインチェックの今後の活躍が期待されます。