要点
・PayPalの今回の発表は、同社の3億4600万人という膨大でグローバルなアクティブユーザーをデジタル資産へと導くことができます。
PayPal(ペイパル)が間もなく仮想通貨の取扱い開始
※動画引用元:PayPal「PayPal Launches New Service Enabling Users to Buy, Hold and Sell Cryptocurrency」
オンライン決済最大手のPayPal(ペイパル)が、顧客がビットコインやその他の仮想通貨を間もなく購入、販売、使用できるようになることを発表しました。この発表によってビットコインは価格が高騰しただけでなく、仮想通貨業界からも大歓迎されています。
Statistaによると、PayPalのアクティブユーザーアカウントの数は2020年の第2四半期に3億4600万に達しており、膨大なの数のユーザーが仮想通貨で取引ができるようになります。
3.5億人のPayPalユーザーがビットコインにアクセスできる
2010年Q1~2020年Q2でのPayPalのアクティブユーザーアカウント総数
※画像引用元:statista
オーストラリアのデジタルマーケティングエージェンシーであるE-WebMarketingが調査したデータ結果が示したように、PayPalユーザーの約43%がアメリカ出身で、アメリカのミレニアル世代の87%がPayPalを使用して送金しています。これは、発売時に、約1億5000万人が、PayPalウォレットの使い慣れた環境のなかで仮想通貨を購入、販売、および使用できることを意味しています。
クオンタムエコノミクス(QuantumEconomics)アナリストのジェイソン・ディーン(Jason Deane)氏は、PayPalの発表について
ビットコインやその他の仮想通貨の大量採用のマイルストーンであり、ビットコインの歴史書が書かれるときに極めて重要であると考えられる瞬間である可能性が非常に高いです。
ビットコインやその他の仮想通貨の大量採用のマイルストーンであり、ビットコインの到達範囲を大幅に加速し、追加サービスの開発を推進します。さらなる制度につながる可能性があり、ビットコインの歴史書が書かれるときに極めて重要であると考えられる瞬間の可能性が非常に高い
と語っていたことが海外メディアによって報じられています。
PayPalのクローズドループサービス
ジェイソン・ディーン(Jason Deane)氏のように大歓迎している専門家がいる一方で、一部の専門家は、PayPalのシステムは仮想通貨を購入して保持する「真の」方法ではなく、同社は少なくとも現時点で、PayPalアカウント間で仮想通貨を取引するオプションはないと述べています。
このコメントに呼応するように
PayPalは現在、このサービスをアメリカにのみ提供しており、機能からすると非常に基本的なものです。ビットコインを引き出して他の場所で使用したり、外部からビットコインの送信はできません。
とイギリスを拠点とする取引所コインコーナー(CoinCorner)の創設者兼CEO(最高経営責任者)であるダニー・スコット(Danny Scott)氏は述べています。
それでも、業界の観点から見ると、新しいビットコイン採用者の数が非常に多く今回の発表が業界にとって前向きな一歩を示しており、ビットコインとその将来にさらに信頼性をもたらすため、依然として素晴らしいニュースであると同氏は述べています。
仮想通貨に関連する事件などを専門とする法律事務所アンダーソンキル(Anderson Kill)のワシントンD.C.オフィスのパートナーであるスティーブン・パリー(Stephen Palley)氏は、PayPalの動きについて“資産クラスの正常化の兆候”だとツイートし、多くの人々がブランドマーケティングの価値を理解していないようだとコメントしています。