暗号資産運用会社のGrayscale社が、アメリカの個人投資家1000人にアンケートを行ったところ、55%の人々がビットコインに関心があると回答したことが分かりました。
昨年おこなった同様の調査では、関心があるユーザーは36%ほどであったことから、この1年でビットコインに関心を持ったユーザーが大幅に増加したことが伺えます。
この1年で世界の経済状況が大きく変化したことが、投資に対する考え方を変えていったのでしょうか。
ビットコインに関心を示すユーザーが大幅増加
ビットコインのファンドを運用しているGrayscale社は、アメリカの個人投資家1000人に対して、ビットコインに関心があるかどうかの調査をおこないました。
アンケートの対象になったユーザーは、25歳~64歳で世帯収入が5万ドル以上に該当する人々です。
その結果、55%のユーザーが関心があると回答し、投資家の半数以上はビットコインに関心があることが分かりました。
あくまで、個人投資家に限定した調査である為、世界全体で見るともっと数値が低いと考えられますが、それでも半数以上ものユーザーがビットコインに関心を示しているということに驚きの声が挙がっています。
この一年で個人投資家の心境が大きく変化
Grayscale社は、去年にも同じ調査を実施していましたが、その際は36%のユーザーがビットコインに関心を示しているという結果でした。
つまり、この1年でビットコインに関心を示すようになった人が大幅に増えたことが伺えます。
これだけ個人投資家の心境が大きく変化した理由として、ビットコインやブロックチェーンなどの技術が進化、浸透していっていることも挙げられますが、コロナによって経済が大きく変化したことが一番の要因であると考えられるでしょう。
去年までは、不動産関連の投資商品や長年安定した価格を維持していた大手企業の株など、手堅い投資が個人に好まれる傾向がありましたが、今回のコロナショックによってそのような安牌な投資であっても痛い目を見てしまうことが分かりました。
その為、これまでの投資スタイルを捨てて、今の時代に即した考え方に切り替え始めた人々も増えてきています。
そんな時、真っ先に目を付けやすいものがビットコインです。
最先端のテクノロジーを有し、法定通貨に対するリスクヘッジも兼ね揃えているビットコインは、誰が見ても可能性の塊に見えることでしょう。
実際に、今回のアンケートでは、パンデミックの影響でビットコインに関心を示すようになったと回答したユーザーが39%も占めており、非常に高い影響力であったことが伺えます。
個人投資家はコロナ禍でビットコインを買いと判断
ビットコイン保有者を対象に、いつビットコインを購入したか調査をした結果では、3月~7月にかけてビットコインを購入したユーザーが38%もいることが明らかになっています。
この時期は、コロナによってビットコインが暴落していた期間でありますが、個人投資家たちはしっかりと買い集めをしていたようです。
投資の世界全体で総悲観が漂っていましたが、ビットコインの特性を知っている投資家たちはこの機会をむしろチャンスであると捉えたのでしょう。
また、ビットコインを買いだと判断し始めたのは個人だけではありません。
MicroStrategyや、スクエアといった海外の大企業たちも今年に入ってから次々とビットコインを購入しています。
ビットコインがリスキーな投資商品だったのは数年前までの話で、これからは個人と企業が限られた数のビットコインを奪い合っていくようになるのかもしれません。
現在、ビットコインが今年のATHを更新し、価格を伸ばし続けているのも、こういった市場の変化を人々が察知してきていることが背景にあるのでしょう。