要点
・トランプ大統領のコロナ陽性報告は、差し迫るアメリカ大統領選に大きな影を落としています。
・トランプ大統領の報告を受け、為替市場、株式市場、仮想通貨市場が軒並み下落、消費者らはリスク回避の動きに転じているとみられています。
アメリカ大統領、夫人ともにコロナ陽性
(※日本語訳:
私はCOVID-19の検査で陽性でした。検疫と復旧のプロセスをすぐに開始します。私たちはこれを一緒に乗り越えます!)
アメリカのトランプ大統領(74)は2日、新型コロナウイルス検査で陽性だったことを明らかにしました。
11月3日の大統領選最終盤での感染は、集会開催などの選挙運動が難しく、再選を目指すトランプ大統領の戦略に大きな打撃となることは必至です。
また、高齢者は重症化の恐れがあることから、健康状態も懸念されています。
さらに、大統領夫人のメラニア夫人の感染も確認されており、今後の動向が注目されています。
トランプ大統領は、最側近のホープ・ヒックス元広報部長であり大統領顧問が1日、新型コロナ感染が判明したばかりでした。
これを受け、メラニア夫人とともに隔離のプロセスに入ることをトランプ大統領がTwitterで報告していました。
トランプ氏は先月29日、テレビ討論会のため、ホワイトハウスからオハイオ州クリーブランドまでの間を往復しており、その際ヒックス氏も大統領専用機のエアフォース・ワンに同乗していたことが報じられています。
さらにヒックス氏は、討論会翌日の30日にもミネソタ州で開かれた選挙集会へ、トランプ氏に同行しており、トランプ氏を含めた関係者の多くが討論会場にて主催団体が提供したマスクを着用していませんでした。
ソニーフィナンシャルホールディングスのシニアエコノミストである渡辺浩志氏はこのニュースに、金融市場に動揺が走っているとかたっており、NYダウ先物は前日比500ドルを超える下落、ドル安も進み、ドル円レートは50銭ほど円高に振れていると解説。
現在、米大統領選の重大局面に突入しており、今後の選挙活動に大きく影響するほか、現在協議が難航中の追加経済対策の遅れや、大統領選の勝敗確定の遅れなど、政治および政策の空白などが懸念されており、景気悪化のリスクが一気に高まった感があると語っています。
トランプ大統領のコロナ陽性反応を受けて
トランプ大統領は自身のTwitterでコロナ陽性反応を一般にも報告しましたが、この一報を受ける形で株式市場、為替市場だけでなく、仮想通貨市場にも大きく影を落としました。
CoinMarketCapによるビットコインチャートを見てみると、トランプ大統領がコロナ陽性反応を報告した直後からビットコイン価格が急落。
値動きを見てみると、日本時間の2日1時50分頃、1,100,485円にまで急落した後、早朝4時20分頃には1,117,701円にまで回復するも、執筆時点で再び110万円を切る値動きを見せています。
ビットコイン市場はネガティブなニュースが続いており、CFTC(U.S. Commodity Futures Trading Commission=米商品先物取引委員会)とDOJ(United States Department of Justice=アメリカ合衆国司法省)によって、仮想通貨デリバティブ取引所大手のBitMEXが民事訴訟及び刑事訴訟で起訴されています。
これを受け、一気にドル幅が急落するなど、為替市場は一気にダウンし、これに反応するかのように仮想通貨市場でもリスク回避の動きに転じています。