ベネズエラのBanesco de Panama銀行および、チリのScotiabank Chile銀行が、リップル社の決済システム「xCurrent」の運用に向けたテストを行っていることがわかりました。
金融業界でのxCurrent運用の動きはどこまで広がっているのでしょうか。
また、今回の報道のリップル(XRP)市場への影響についても考察します。
要点
ベネズエラとチリの大手銀行がリップル社発行の決済ソフトウェア「xCurrent」運用テストを開始しています。xCurrentの世界的な理解度とリップルの市場への影響を考察します。
世界中で広まるxCurrent運用の動き
ベネズエラに340の支店と600万人の顧客にサービスしているBanesco de Panamaと、チリで最も歴史のある銀行のScotiabank ChileがxCurrentへの取り組みを表明しました。
このことは、xCurrentのグローバル化がさらに進んだことを意味します。
xCurrentは、仮想通貨リップルを発行するリップル社が開発した決済用ソフトウェアで、国際送金のスピード成立と、送金情報の透明化を目的としています。
現在、多くの銀行は国際間での送金作業にSWIFT(国際銀行間通信協会)を利用していますが、日数やコストがかかり、システム自体も不安定です。
コストや送金スピードなどの問題を解決すべくxCurrentに取り組む金融機関が世界中に現れています。
6月11日には米リップル社が、南米のフィンテック推進主要国のブラジルでの事業開始を表明しています。
そんななかで南米の大手銀行2社がxCurrentへの取り組みを表明するのですから、世界中、特に南米でのリップルへの理解度が高まっていることがわかります。
南米以外でも、日本のSBIホールディングス子会社「SBI Ripple Asia株式会社」が、xCurrentをベースとした送金アプリ「Money Tap」による加盟店決済サービスの実験を開始しています。
2019年1月10日時点で、Ripple Netと提携する金融機関は銀行、外国為替、送金業者など200社を超えています。
いかにリップルが注目度の高い仮想通貨であるかがわかるでしょう。
現在のリップル市場は?南米銀行2社の取り組みの影響は?
6月25日のリップルの終値は49.800円です。
5月9日の32.240円からリップルの価格は仮想通貨市場全体の好景気により急騰し、5月15日に一時50円台を突破しました。
その後は価格調整などもあり主に40円台を推移する展開が続いていましたが、22日に50.641円の終値を記録してからは、50円前後での攻防が続いています。
リップルのブラジル進出が発表された6月11日の3日後からは4日連続で値上がりしています。
南米の銀行2社のxCurrentのテスト運用が金融メディア「Iupana」に報じられたのは6月17日です。
そこから5日後の22日に、リップルは50円台に回復しました。
南米におけるリップルの浸透は、決して大きなレベルではありませんが、同市場の上昇トレンドに貢献していると考えられます。
長期的に見ると、リップル社が発行するxCurrentへの理解が高まり、世界的なリップの需要を呼び込むことが予想されます。
そうなれば、リップルの価格は50円台からさらに伸び続けるでしょう。
まとめ
ベネズエラのBanesco de Panama銀行とチリのScotiabank Chile銀行がxCurrentの運用に向けたテストを行っていることがわかりました。
6月11日のリップルのブラジル進出と合わせ、南米に対するリップルの認知度が高まっているとみられます。
その影響は短期的には大きなレベルではないながらもリップルの上昇トレンドに貢献していると考えられます。
特に南米地域でリップルの需要が高まっているのではないでしょうか。
xCurrentはその決済スピードとコストの安さから、多くの金融機関が注目しています。
今後xCurrentの運用が世界的に広まっていけば、リップルに対する世間の需要が高まり、長期的な資産価値上昇につながるでしょう。