12月23日、米リップル社のBrad Garlinghouse CEOが、2021年を「今までで最も好調」と自己評価しました。
CEOの主観的なところもうかがわれますが、この前向きな発言は、今後の仮想通貨市場にも影響を与えそうです。
実際の2021年のリップルにおいてどのようなニュースがあったのかを振り返ります。
一年の総まとめによって、今後の価格予測の参考にもできるでしょう。
要点
リップルは2021年、過去最高の好調な年だった
リップル社のBrad Garlinghouse CEOは、2021年の自社を振り返るツイートで、このような自己評価をしています。
リップル社の好調の理由に挙がったオンデマンド流動性とは、リップル社による外貨準備支援体制です。
国際送金をスムーズにするための作業で、取引対象である両通貨の中継点的役割をリップルが務めます。
たとえば日本からアメリカへの送金では本来、日本円を米ドル円に替えますが、通貨変更に手間と手数料がかかるでしょう。
しかし日本円から一旦リップルに換えさせ、そこから米ドルに替えて送金するのがオンデマンド流動性の役割です。
リップルのように仮想通貨は世界共通なので、通貨転換の手間も省かれ、送金手数料の抑制も望めます。
リップル社はRippleNetとして、オンデマンド流動性を生かした送金システムを確立しています。
このネットワークの需要が上がったことが、好調の根拠でしょう。
2021年のリップルの主なニュースまとめ
2021年のリップル社では、さまざまなニュースがありました。
代表例として以下が挙がります。
・リップルがステーブルコイン開発を目的にパラオ共和国と提携
・企業向け仮想通貨サービス「Ripple Liquidity Hub」をスタート予定
・2020年12月におけるSECからの提訴により裁判中
リップル社は金融機関のRippleNet利用を目的として、以前から世界中のさまざまな機関と提携を結んできました。
しかしパラオ共和国との提携では、独自のステーブルコイン開発が目的です。
開発予定のステーブルコインは米ドルと連動する仕組みで、同国のデジタル通貨戦略における重要な存在です。
中央銀行開発のデジタル通貨であるCBDCが世界中で話題になるなか、パラオ共和国の方向性をリップル社は支持しています。
デジタル通貨と違った魅力を発揮できるでしょうか。
「Ripple Liquidity Hub」は銀行やフィンテック企業などの法人を対象に、流動性確保のための通貨取引・管理ソリューションです。
発表は2021年11月で、2022年の実用化が予定されています。
SECからの提訴は、米リップル社の通貨としてのXRPが「有価証券」にあたり、SECに取引認可を受けるための登録なしで売買していると指摘するものです。
リップル社はXRPの有価証券としての特性を否定しており、裁判の決着を2022年中と予測しています。
2021年のニュースがこれからどのような影響を与えるか注目しましょう。
まとめ
リップル社は2021年を「今までで最も好調」と前向きにとらえています。
実際に提携拡大や新サービスの発表などよいニュースもありました。
しかしSECからはXRPの有価証券性をめぐって裁判中であり、この決着がリップル社およびXRPの今後に影響を与えそうです。
リップルは会社としても仮想通貨としても世界的な影響力が大きいといえます。
2022年以降もさまざまなニュースが話題になるでしょう。
今後の活躍や、将来的な価格上昇に期待がかかります。