要点
・B2C2社の買収により、同社のブランド力、才能、技術的専門知識、取引能力がSBIにとって世界初の主要取引デスクを開設させる事を実現化できるようになります。
SBIファイナンシャルサービスがB2C2社を買収
SBIファイナンシャルサービスは、イギリスに拠点を構える先駆的流動性プロバイダーB2C2社を買収し、仮想通貨取引デスクを開設した世界初の金融コングロマリット(financial conglomerate =銀行,証券,保険などからなる金融系巨大複合企業グループ)になりました。
SBIホールディングスの子会社、SBIファイナンシャルサービス http://www.sbigroup.co.jp/ は、12月15日付で当局の認可を取得し機関投資家向け仮想通貨市場で高いシェア率を誇るB2C2の買収を発表し、B2C2側も同日に買収された事を発表しています。
この取引は、今年7月にB2C2の少数株式を取得するというSBIファイナンシャルサービスの合意に続くもので、同社の90%の株式を取得し子会社化した事が公表されました。
今回の買収によって、SBIは仮想通貨市場の中心に位置付けられ、デジタル資産を取引する銀行のカウンターパーティを求める金融機関にとって自然な入り口になります。
B2C2のブランドや才能、技術的専門知識に加え、高い取引能力により、SBIは世界初の主要取引デスクを開設できます。
SBIグループによる今後の抱負
SBIグループは、M&A(企業・事業の合併や買収)事業の推進を国内外で展開しており、今後の企業としての飛躍的成長を具現化させるための重要な戦略の一つとして、これまでにも仮想通貨関連事業に取り組む企業のM&A事業を進めていました。
B2C2社は、仮想通貨市場における大手マーケットメイカー(特定資産を大量売買する市場参加者)であり、本拠地を構えるイギリスの他にもアメリカや日本等に拠点を持ちグローバルに事業を展開しています。
2020年9月からB2C2社は仮想通貨取引所を運営するSBI VCトレード株式会社の取引所に接続を開始し、すでに1日の取引高は10倍に増加しているとのことです。
今回のB2C2社の子会社化によって、SBIグループは、同社が有するグローバルなネットワーク、流動性や最先端のリスクマネジメント手法の活用等によって、個人・法人・機関投資家等の顧客に向けた、革新的なサービスやプロダクトをグローバルに展開していくと抱負を述べています。
買収後の2社のコメント
SBIファイナンシャルサービスによるB2C2社の買収・子会社化にともない、SBIホールディングスの北尾吉孝社長兼最高経営責任者は次のように述べています。
B2C2社は仮想通貨市場において、世界でもトップレベルの製品・サービス、優れた技術、優良な顧客基盤を持ち世界的に高い評価を得ている企業です。B2C2社が掲げるビジョン、専門知識や提供するサービスは、SBIグループとも良いシナジーを生むと確信しています。同社との連携でグローバル市場において事業を拡大していけることを楽しみにしています。
また、B2C2の創設者マックス・ブーネン(Max Boonen)氏も買収・子会社化について次のように述べています。
ビットコインが今月史上最高を記録し、仮想通貨の夜明けを迎えています。先見の明があることで賞賛されている金融会社のSBIにとって、タイミングはこれ以上良いものではありませんでした。統合は順調に進んでおり、進化の最前線でSBIに参加できることを誇りに思います。
SBIの初期投資以降の中間目標地点として、主要流動性プロバイダーとしてのB2C2の任命が含まれ、これによって機関投資家はB2C2のプラットフォームを介してSBIと取引できるようになります。
OTCの取引量は4倍になり、市場でナンバーワンの流動性プロバイダーとしてのB2C2の地位を確固たるものにしていくとともに、B2C2の最先端のマーケットメイクシステムとSBIの新しいデジタル取引所の統合により、1日あたりの取引量が10倍に増加しています。
ビットコインが記録を更新続けている今、SBIファイナンシャルサービスがB2C2を買収したことで、新たな機関投資家向けの選択肢が増える事により、市場は更に活発な動きを見せ始めるのではないかと期待されています。