孫正義会長がビットコインについて言及
ソフトバンクグループ株式会社は今月12日に2021年3月期の決算を発表し、
企業経営に関する今後の方向性の説明を行う他、
質疑応答コーナーを設ける形で記者の対応を行ないました。
その中でソフトバンクグループの財務諸表として、
「現状ビットコインなどの暗号資産を保有しているか？」また、
「今後保有する予定はあるのか？」という質問が挙げられました。
近年ビットコインを保有する企業は米国を中心に増加しています。
中でもテスラやマイクロストラテジーはビットコインを大量に保有するクジラとして有名です。
ソフトバンクも手元にある資産をビットコインに移すことは検討されているようですが、
投機的な見方も強い現状のマーケットでは企業資産として担保できるかが不透明であり、
経営者として難しい判断であることが伺えます。
孫会長の言及は以下の通りです。
『ビットコインはそれが良いのか悪いのかという議論が従来から何度も行われていますが、
本当に価値があるのかあるいはバブルなのかという点は私もよくわかりません。
一方で暗号資産が欲しくて投資している人もたくさんいて、
欲しい人に対して提供するインフラやプラットフォームは無視できない数の人々が参加し、
金や株や債券と同じように暗号資産を買う人が増えているので、
それそのものを非難する必要はないと考えており、常に社内でも議論しています」
暗号資産に対してネガティブな印象ではなく、
今後の値動きによってはソフトバンクグループの資産の一部として、
暗号資産を保有することになるかもしれません。
孫会長がビットコインについて言及することは初めてではなく、
以前にも個人投資でビットコインを約200億円ほど投資に回したことが話題になりました。
その際は「マーケットの激しい値動きに気を取られて、
自身のビジネスに集中することができなかった」と発言されており、
それ以降あまり積極的に運用されている様子はありません。
暗号資産保有率の増加
先日のイーロン砲により急落したビットコインですが、
その後マイクロストラテジーが新たに271BTC分買い増しを行い、
今後も計画的にビットコインの保有を行っていく姿勢でいることを示しました。
今年に入り企業は資産としてBTC,ETHを保有する流れは確実に増えており、
国内ではネクソンが約110億円相当のビットコイン保有を発表しています。
米国に関しては個人で4600万人の人々が、
ビットコインを保有しているというデータが出ています。
この値は米国総人口3億3291万人の約13%を占める割合なので、
米国市民の生活にビットコインが浸透していることが伺えます。
上記のTweetのように毎年順調に保有率を伸ばしていけば3〜4年程で、
早期参入者16%の壁を超えてアーリーマジョリティの層まで浸透していくかもしれません。
今回の記事のまとめ
「孫正義会長がビットコインについて言及」について
- 今の段階ではビットコインを会社の資産として保有する予定はない
- 引き続きビットコインの資産価値について議論を深めていきたい
「暗号資産保有率の増加」について
- マイクロストラテジーがビットコインを271BTC分買い増し
- 米国を中心に企業がビットコインを資産ポートフォリオに計上
- 米国総人口の約13%がビットコインを保有
- 今後４年以内に世界の総人口の3割がBTC を保有するかもしれない
今後ビットコインが社会インフラとして機能し続けていくためには、
現在課題とされている環境問題への対策を行なっていく必要があります。
ジャック・ドーシー率いるスクエアのような企業が、
マイニングで発生するCO2のゼロカーボン化を掲げていたり、
ビットコインを応援する企業や機関投資家の環境投資により、
カーボンフリーへの移行が着実に行われていくのではないかと思われます。
直近のビットコイン価格の値動きも少しづつ激しくなっているので、
注意深くマーケットを観察する必要がありそうです。
