イーサリアムの大型アップデートプロジェクト「The Merge」が、15日に完了しました。
Coindeskでも、以下のように報じられています。
訳:イーサリアム「The Merge」完了、第二の規模のブロックチェーン新時代の幕開け
歴史的アップグレードは、従来のブロックチェーンに関わったマイナーたちを置き去りも、多大な環境的利益に期待
The Mergeによるポジティブな影響も想定されます。
しかし仮想通貨のしくみが変わった以上、ハードフォークのような問題にも注意です。
The Mergeの詳細と、その影響をまとめました。
要点
イーサリアム「The Merge」完了
15日にイーサリアムの大型アップグレード「The Merge」が完了しました。
これによりコンセンサスアルゴリズムが変わります。
従来はPoW(プルーフ・オブ・ワーク)でしたが、ここからはPoS(プルーフ・オブ・ステーク)です。
PoSへの変更により、報酬につながるマイニング成功率は、イーサリアム保有量によって決まるようになりました。
ブロック作成時のエネルギー消費量削減にも期待がかかります。
PoWは取引承認に要するデータ計算処理の速さを競い、一番に成功すれば報酬獲得です。
ただし特殊機械を使う人物の存在で、エネルギー消費量が大きくなるリスクがありました。
以上を考えると、イーサリアムはアルゴリズム変更でエコな通貨に生まれ変わったのでしょう。
The Merge完了について、Twitterからは以下の口コミが寄せられました。
The Mergeがイーサリアムにもたらす影響
The Mergeでは、イーサリアムにさまざまな影響をもたらします。
コンセンサスアルゴリズムの変化は、仮想通貨のしくみを大きく変えるという意味だからです。
代表例として、以下の影響が考えられます。
・PoS移行によるエネルギー消費量削減
・マイニング報酬消滅によるイーサリアム新規発行量の減少
・イーサリアムのPoWチェーンをもとに新通貨「ETHW」登場と、それにともなうハードフォークの可能性
アップグレード後のネットワークでは、PoWによるマイニングが停止します。
後続ブロックはPoSルールにより、バリデーターが作成する形です。
一方でPoS移行により、消費電力削減がメリットです。
仮想通貨市場でも、気候変動リスクを気にしながら投資先を選ぶ人がいます。
とくにESG投資家が、イーサリアムを好むかもしれません。
エネルギー削減によって、イーサリアム売買をESG投資の一環ととらえるからです。
以上からイーサリアムは、将来の環境社会に向いた仮想通貨として、高評価を受ける可能性があります。
アルゴリズム変化によって、イーサリアムの新規発行量にも影響が出ます。
PoWによるマイニング報酬はゼロで、ステーキング報酬しか生まれません。
新規発行量減少により、希少価値を認識する人もいるでしょう。
ただし発行できない面をネガティブにとらえ、狼狽売りに走る人も現れるかもしれません。
従来のPoWとしてのイーサリアムチェーンを続けるための「EthereumPoW」発足も報じられています。
Coinpostは、The Merge完了から24時間以内に、EthereumPoWチェーンと関連通貨「ETHW」を始める予定と報じました。
このような動きが、イーサリアムのハードフォークにつながるかもしれません。
いずれにしても大型アップグレード完了によって、世界的なさまざまな考えが生まれているようです。
今後のイーサリアムの動向が見逃せません。
まとめ
9月15日にイーサリアムの大型アップグレード「The Merge」が完了を迎えました。
これによりコンセンサスアルゴリズムもPoSに代わり、消費電力削減や効率的運用を期待できます。
ハードフォークの可能性が残っているため、まだ油断できません。
しかしこのままトラブルがなければ、イーサリアムの利便性評価から長期的な相場上昇もありそうです。
アップグレードを乗り越えたイーサリアムが、今後見せる展開に期待しましょう。