世界的クレジットカードブランドのVISAが、仮想通貨ビジネスのためのアドバイザー部門を発足させました。
銀行の仮想通貨戦略についてアドバイスをするほか、専門とするチーム作りをサポートするそうです。
ビットコインをはじめとした民間仮想通貨の関連サービスにも進出する可能性があります。
今回のニュースの詳細と、これまでのVISAと仮想通貨のかかわりをまとめました。
要点
目次
VISAの仮想通貨アドバイザー部門
VISAは8日に仮想通貨アドバイザー部門を発足させました。
今回の新部門設立の目的は以下のとおりです。
・VISAとしての仮想通貨ビジネスの立案や実施
まずは仮想通貨ビジネスをしたい金融企業の支援が、アドバイザー部門立ち上げの目的とされます。
近年のビットコイン、イーサリアムの世界的影響力の高まりを受け、仮想通貨ビジネスを立ち上げる例が相次いでいるからでしょう。
VISAが仮想通貨関連ビジネスのスタートを助けることで、業界の役に立つ狙いのようです。
一方でVISA自身も仮想通貨関連ビジネスの立ち上げを模索しています。
関連戦略の立案のため、銀行のコンサルティングや分析チームとも連携する見通しです。
11月下旬には仮想通貨関連の求人情報を公開しました。
今回のアドバイザー部門の立ち上げにつながっているのでしょう。
VISAから新たな仮想通貨ビジネスが立ち上がれば、多くの方が注目しそうです。
世界的クレジットカードとして高い信頼性を誇るので、今後の動向が見逃せません。
これまでのVISAと仮想通貨の関係
VISAと仮想通貨の関係は、多くの話題を提供しています。
最近の例を3つ見ていきましょう。
bitFlyer VISAプリペイドカード
bitFlyer VISAプリペイドカードは、全国のVISA加盟店で使用可能です。
ビットコインを円建てでチャージできます。
取引所を利用せずして仮想通貨を手に入れられるようになりました。
チャージ後にビットコインが値上がりすれば、売却により資産を増やせます。
もちろん決済を認められている店なら、ビットコインのまま代金として払える仕組みです。
近年の仮想通貨の隆盛を考えると、ビットコインとプリペイドカードの組み合わせが実現するのもうなずけるでしょう。
VISAの仮想通貨対応カードの需要が大きくなっている
仮想通貨に対応したVISAカードは、世界的に高い需要を見せています。
2021年前半だけで、総額10億ドルの決済に使われました。
日本円にして約1000億円です。
当時の報道で、VISAは50もの仮想通貨プラットフォームと提携しています。
なかにはBinanceやCoinbaseなど、海外で有名な仮想通貨取引所も含まれる点が見逃せません。
さらに7000万の加盟店で仮想通貨決済が可能と報じられています。
海外でもビットコインを使える可能性が高まっているのです。
仮想通貨業界におけるVISAの影響力がうかがえるでしょう。
ステーブルコインと他通貨の互換ネットワークも計画
2021年9月末にVISAは、ステーブルコインを他の仮想通貨やCBDC(中央銀行デジタル通貨)と交流できるようにするネットワークを計画していることがわかりました。
ステーブルコインとは安定した価格での取引をしやすいように作られた仮想通貨です。
世界的には米ドルと価値が連動する「テザー」(USDT)が有名になっています。
ネットワークの名称は「Universal Payment Channels(UPC)」です。
世界的に中央銀行が発行するCBDCが注目されています。
VISAのネットワークが実用化されれば、CBDCや仮想通貨などとの交流が望めるでしょう。
デジタルでできた通貨の利便性が高まりそうです。
まとめ
VISAが仮想通貨のアドバイザー部門を立ち上げたことが話題になっています。
これまでも仮想通貨対応カードを有名にしたり、独自のネットワークを作ったりするなど、世界的な影響力を高めている状況です。
今後もVISAは仮想通貨業界を盛り上げてくれるでしょう。
アドバイザー部門の発足を、どのようなビジネスにつなげるかが注目されます。