要点
・調整直前の今、ビットコインハッシュレートが急回復
・難易度調整に関する専門用語を理解してハッシュレートを知る
専門用語を理解してハッシュレートを知ろう!
4日後に実施される予定のビットコインの難易度調整を目前にした今、ビットコインハッシュレートが急速な回復を見せています。
詳しく解説をする前に、まずは「難易度調整」や「ビットコインハッシュレート」について解説しておきます。
難易度調整とは何?
難易度調整とは、メディアによっては「ディフィカルティ」と呼ばれたりしますが、マイニングによって、新規のブロックを生成する際の難易度を調整する事を言い、ブロックのハッシュ値が低いほどマイニングが難しいとされています。
マイニングは、すでに知っている方も多いとは思いますが、仮想通貨取引が正当なものであるかの整合性をマイナー達が計算しており、この計算はとても高度といわれているナンスの計算を用いて行われています。
ちなみにナンスとはNumber used once、つまり一度きりの使い捨ての数字を指しており、ブロックを新たに生成する際にマイナーが生成する32ビットの数値を言います。
このナンスは常に同じため、どんどん変更させてハッシュ値を変えていかなければなりません。
マイナーは常に変わるハッシュ値を、ハッシュ関数というとても複雑な数式に置き換えて計算をしてハッシュ値を割り出しています。
つまり、マイナーがマイニング報酬を獲得するためには、最も早く32ビットの値を、ハッシュ関数を用いて割り出します。
正しいハッシュ値と、ハッシュ値を割り出したナンスを最初に正しく見つけたものに対し、新規発行されたビットコインをマイニング報酬として受け取ります。
ビットコインハッシュレートとは何か?
ビットコインハッシュレートとは、ビットコインマイニングをする際、1秒あたりの計算力と採掘難易度(=マイニング難易度)のことで、マイニング競争が激化すると、その分難易度も上昇します。
ちなみに…
ハッシュレートの単位はhash/s(セカンド)と表し、毎秒どれくらいのハッシュ計算ができるかを指し、ブロックのハッシュ値が低いほどマイニングが難しいとされる難易度調整とは逆に、ハッシュパワーが大きいほどマイニングマシンの性能が高くなります。
ハッシュレートは K(キロ)、M(メガ)、G(ギガ)、T(テラ)といった単位と合わせて使用され、キロは1000、メガは100万、ギガは10億、テラは1兆を表しています。
例えば…
1TMhash/sと表示されている場合、毎秒10億回のハッシュ計算が可能な事を表しているのです。
難易度調整とはいったい何?
ここまでは専門用語の意味を解説しました。
では、難易度調整とはいったい何なのでしょうか。
難易度調整は、ハッシュレートとブロック生成量目安の計算に用いられています。
多くの方がビットコインの新規ブロック生成速度は12分に一度や10分に一度と考えていますが、これらは2週間に1度調整されています。
この調整によってマイニング難易度が変わっていき、ブロック生成速度についても微小ながらも常に調整され、ブロック生成速度も微妙に異なります。
ハッシュレートが上がるとどうなるのか?
仮想通貨市場では、中国系マイニング業者が多い事でも知られていますが、今年初頭から世界に蔓延し続けているコロナ禍の影響を大きく受け、マイニングマシンの出荷もストップしたり、大幅な遅れを見せていました。
しかし、5月に入ると中国を筆頭に徐々に感染者数が緩やかになると、経済活動もゆっくり再始動を始め、中国のメディア8btcが報じた様に、BITMAIN社が今年3月中旬に先行発売されていたS19シリーズが出荷されるなど、マイニング競争復活の兆しが見え始めていました。
ビットコインハッシュレート履歴チャート
(画像引用先 bitInfoCharts)
6月1日18時時点のハッシュレートは、bitinfocharts によると、112.146 Ehash/秒24時間で+ 0.31%にまで回復しています。
半減期頃はハッシュレートが80 Ehash/秒辺りを指していたことから、さきほど解説したように、急激な回復によって112 Ehash/秒を超える数値を見せる、つまりマイニング速度もあがっており、承認作業をしているマイナーが増えている事を意味します。
マイニングに多くのマイナーが参加すること、それは、多くの計算が必要とされている証であり、計算量も増えることになるため、ハッシュレートも必然的に上がります。
これは、逆にマイニングをする人が少なくなると計算量も減り、ハッシュレートも同時に下がります。
ビットコインハッシュレートが上がるということは、ビットコインマイニングしたいと考える人が多いかどうかの人気指標でもあり、ハッシュレートが高いほど、ビットコインの信頼性が増していて取引量も増える。
取引量が増えると、当然ビットコイン価格そのものもあがりることから、ハッシュレートをチェックしている投資家も多いと言われています。