ビットコインをはじめ仮想通貨は投資で利益を狙うだけでなく、保有分を日本円代わりに決済として使えるなど、用途が多様化しています。そのために多くの人が知らないと思われる使い方もあります。
仮想通貨で代金を決済できるなら、仕事の給料も仮想通貨で払えるのではと思った人はいるでしょうか?結論から言うと、仮想通貨は給料で払えます。
本記事では仮想通貨が仕事の給料として払える理由と、該当する実例3つを紹介します。実例はアイドルグループからある国全体までバラエティに富んでいます。これを読んで、仮想通貨の給料がありえることを知っておきましょう。
要点
仕事の給料として仮想通貨が認められる理由と、3つの実際の例を紹介します。
目次
仕事の給料に仮想通貨を払える条件は?
現代社会では仮想通貨が給料として成立するケースが見られます。
一般的に労働基準法では「通貨払いの原則」が定められ、事業者は法律にそったプロセスで、給料としてのお金を働いた人に支払われなければなりません。
ここでの「通貨」とは日本円や米ドルなど、その国で公式に使われている法定通貨を意味します。
しかし通貨払いの原則には例外があります。労働協約を結ぶ際、法定通貨以外のものによる給料の支払いに事業者と使用者、つまり働かせる人と働く人が同意した場合です。
ただしビットコインなどの仮想通貨は24時間365日値動きを続けており、支払い成立直前に価格急騰または暴落するケースも想定されます。
給与と支払われた後に価格が上がればラッキーですが、暴落すれば損失規模により生活に影響が出るなどの懸念材料もあります。
支払いの際は給料に対する仮想通貨の割合の決定、日本円の相当額の固定、支払いルートの確立など厳密な計画性が必要と考えられます。
仮想通貨が給料として成立した実例3つ
仕事の給料として仮想通貨が支払われたケースを3つ紹介します。
実例1: 仮想通貨がテーマのアイドルグループ「仮想通貨少女」
「仮想通貨少女」とは、世界初とされる仮想通貨アイドルグループと呼ばれており、2018年1月5日に活動開始しました。
楽曲も『月と仮想通貨と私』『俺の名はブロックチェーン』など仮想通貨をネタにしたものが揃っています。
元々は「シンデレラアカデミー」運営のもと、12星座をモチーフに結成された「星座百景」というアイドルグループのサイドプロジェクトとして展開されており、仮想通貨少女のメンバーも全て星座百景として活動している人ばかりです。
ライブ後の囲み取材で仮想通貨少女としての活動給与の一部がビットコインで支払われることをメンバーが認める場面がありました。
現在は星座百景としての活動がメインで、仮想通貨少女としての活動は見られませんが、またステージに帰ってくることがあるかもしれません。
実例2: アメリカ決済会社「アリアント・ペイメンツ」
2019年10月16日、アメリカの決済企業である「アリアント・ペイメンツ」(Aliant Payments)は、従業員の給料の一部を仮想通貨払いにすると発表しました。種類はビットコインとライトコインの2種類とのことです。
同社は2017年9月、仮想通貨による業者向け決済サービスを提供した元祖とされています。
2018年7月には仮想通貨で直接決済するだけでなく、そこから米ドルへ換金して翌日払いを成立させる送金ソリューション「CryptoBucks」をリリースするなど精力的な活動を展開しています。
仮想通貨による決済システムを提供している会社自体がお手本となるべく、従業員に仮想通貨をギャラとして支払うことに決めたと考えられます。
実例3: ニュージーランド全体
ニュージーランドでは2019年9月1日から、企業が仮想通貨を給料として支払うことを全面的に認めています。
アイドルグループや会社などの組織単体を超えて、国自体が仮想通貨による給与払いを認めるという驚きのケースです。
政府は仮想通貨がニュージーランド・ドルをはじめ法定通貨に換金できることなどを条件に挙げており、実際に仮想通貨で給料を払った企業は、所得税を差し引けるとのことです。
所得税差し引きは「PAYE(Pay As You Can)」というニュージーランド独自の制度に基づいて施行されるルールです。
ただしフリーランスは給料に仮想通貨を選ぶことができないなど一定の制約は見られます。
まとめ
仮想通貨の世界的な浸透は「給料」という概念にまで及んでいます。まだまだ議論の多い仮想通貨ですが、既存の投資分野を超えたその魅力はビジネス業界でも認知されているようです。皆さんにもいつか仮想通貨で給料を支払われる日が来るかもしれません。