国内ステーブルコインが発行される可能性が浮上しています。
改正資金決済法が6月1日から施行される結果、法定通貨と価値が連動するトークンを流通できるようになりました。
実際に年内の発行を視野に入れる企業もあり、動向が注目されています。
改正資金決済法に加え、国内ステーブルコインをめぐる動向を見ていきましょう。
要点
改正資金決済法でステーブルコインの国内流通解禁へ
改正資金決済法が、2023年6月1日から施行されます。
その結果、ステーブルコインに関する規制が明確化され、国内発行が可能になりました。
2023年5月24日の「金融庁説明資料(近年の資金決済制度の動きについて)」によると、ステーブルコインは以下のように分類されます。
分類 | 定義 | 発行者 | 仲介者 |
デジタルマネー類似型 | 法定通貨価値と連動し、発行価格と同額による償還を約する資産。電子決済手段等として規律 | 銀行・資金移動業者(法的手当は特定信託会社) | 電子決済手段等取引業者 |
暗号資産型 | デジタルマネー類似型以外。仮想通貨や金融商品として規律 | - | 暗号資産交換業者 |
このようにステーブルコインの分類と、それに応じた責任の所在が明確化されました。
以上によって国内でも発行が可能になります。
発行者と仲介者、法的手当がわかり、法定通貨と価値が連動するタイプは電子決済手段等として規律されることも決まりました。
仲介者によるマネーロンダリング対策や利用者保護の取り組みも明確化しています。
以上の法整備により、国内でもステーブルコインを安全に発行できるしくみが整いました。
今回の動向に関して、Twitterでは以下の口コミがあります。
日本円と連動するステーブルコインは誕生するか
今回の改正資金決済法により、ステーブルコイン開発に動き出す国内企業が次々と現れるでしょう。
海外で話題になり、日本でも名の知られているステーブルコインがあるからです。
以上のしくみを参考にすれば、日本円と価値が連動する仮想通貨を開発できるでしょう。
そのためステーブルコイン市場は、将来的に日本でも広まりそうです。
海外では米ドルと価値が連動するテザー(USDT)やUSDコイン(USDC)などが有名になりました。
国内では金価格と連動するジパングコインが三井物産から発行されており、bitFlyerで購入できます。
このように既存価値と連動する仮想通貨も多様化する状況です。
日本円と連動する仮想通貨が、いつ話題になってもおかしくありません。
従来の仮想通貨は1日だけで高騰したり暴落したりするなど、価格変動性が大きすぎるデメリットがありました。
既存価値と連動するタイプは、ビットコインやイーサリアムなどより相場が安定しやすく、リスクを抑えながらの資産運用に期待できます。
以上から日本円と価値が連動するステーブルコインは、国内で需要が高まるでしょう。
国内スタートアップ企業でステーブルコインの発行計画
スタートアップ企業JPYCが、すでに日本円連動型のステーブルコイン発行計画を立てています。
もともとはプリペイドの決済手段として使われていました。
しかし改正資金法の決済を受け、ステーブルコインとしてあらためて流通させる予定です。
成功すれば、新しい仮想通貨のあり方を示すでしょう。
トークンとしてのJPYCはイーサリアムやポリゴンといった複数のブロックチェーンに対応しているので、活用範囲が広いといえます。
日本円と価値が連動することから、今回の改正を受けて国内上場の可能性もあります。
JPYCが、国内ステーブルコイン市場を開拓するかもしれないので、今後の動向に期待しましょう。
まとめ
資金決済法の改正を受けて、国内でもステーブルコインを発行できるようになりました。
JPYCのように、年内の国内発行を見据える企業も見られます。
既存資産と価値が連動するステーブルコインは、従来の仮想通貨より相場が安定しやすいのがメリットです。
そのため流通すれば、リスクマネジメントのしやすさから注目を集めるでしょう。
日本発のステーブルコインが、今後の仮想通貨業界を盛り上げるかもしれません。