イーサリアム共同創業者のヴィタリック・ブテリン氏は、21日にETHTaipeiのカンファレンス・ハッカソンに登壇し、レインボーステーキングを提唱しました。
既存ステーキングについて、ノード集中化のリスクを指摘しています。
以前からブテリン氏はステーキングシステムの刷新を訴えており、レインボーステーキングもその一環です。
ブテリン氏提唱の新技術について、詳しく見ていきましょう。
要点
レインボーステーキングとは
ブテリン氏は21日のETHTaipeiで、レインボーステーキングを提唱しました。
レインボーステーキングは「ヘビーステーキング」と「ライトステーキング」の2つに分かれます。
ヘビーの部分は多額のステークバックを要する一方、ネットワークの運用における重要性が高いといえます。
ライトの部分は、取引の多様性や分散性の活性化を担うのが特徴です。
レインボーステーキングは、ヘビーとライトの間で、ステーキング報酬の配分を適切な形にします。
そのメリットは個人や小規模事業者に対し、参加のモチベーションを与えられる可能性です。
ステーキングでまとまった資産を得られるのは、これまで一定規模の事業者というイメージでした。
しかし公平かつ多様な取引とインタラクションのチャンスを与えれば、個人や小規模事業者にも多額報酬のチャンスがめぐるでしょう。
ブテリン氏は、ネットワークの活性化のため、個人や小規模事業者の需要拡大が不可欠と考えているようです。
以上からレインボーステーキングが実現すれば、今より多くの方がイーサリアムネットワークへ気軽に参加できるでしょう。
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既存のステーキングのリスク
ブテリン氏は既存のステーキング全般について、リスクを指摘しています。
代表的なのがイーサリアムブロックチェーンにおける、ノードの集中化リスクです。
ステーキング条件が厳しいため、参加可能なノードが限られるため、以上のリスクが懸念されます。
参加者が限定的だと、利益が特定人物や組織に偏り、公平な運営への影響が生じるかもしれません。
2024年3月時点でイーサリアムには、個人でのステーキングに厳しい条件があります。
32ETH以上の保有が必要なうえ、独自ノード実行による技術的課題もある状況です。
イーサリアムのステーキングの個人希望者は、多くがリキッドステーキングプロトコルに委任しています。
個人のステーキング参加者はリキッドステーキングを利用しながら、金利による利益を受け取っています。
ブテリン氏は以上の状況について、さまざまな問題を指摘しました。
たとえばバリデーターの大部分の管理拠点がハッキングを受け、仮想通貨が盗まれるリスクです。
また少数の事業体がステーキングで多くのイーサリアムを得て、運営権限が大きくなりすぎる点も指摘しました。
実際に権限の集中を受けた事業体が、イーサリアム運営の方向性を間違えると、多くのユーザーの不利益につながるかもしれません。
こうした問題を解決するため、ブテリン氏はレインボーステーキングを提唱しています。
以前から一部メディアで、ステーキング技術の刷新の必要性を訴えるブテリン氏が報じられていました。
レインボーステーキングの提唱により、彼のビジョンが一部具体化しています。
まとめ
ブテリン氏は新技術としてレインボーステーキングを提唱しました。
ステーキング報酬の配分の最適化により、個人や小規模事業者のネットワーク参加を促します。
ブテリン氏が目指すのは、誰でも気軽にネットワークへ参加できる環境です。
既存のステーキングでは、特定人物や組織に利益が偏り、ネットワーク運営に影響が及ぶかもしれません。
また多数のバリデーターの管理拠点が攻撃されると、多額の被害のおそれがあります。
ブテリン氏はこうした問題点を指摘し、レインボーステーキングの必要性を訴えているのです。