Bittrexは8日のプレスリリースで、破産申請を発表しました。
米国の連邦破産法11条である「チャプターイレブン」の適用を受けた形です。
かつては世界的な取引所として話題でしたが、破産までに何があったのでしょうか。
Bittrexの状況について、詳しく紹介します。
要点
Bittrexの破産について
仮想通貨取引所のBittrexは、8日に破産申請を発表しました。
米連邦破産法11条である「チャプターイレブン」によって申請しています。
これは日本でいうところの、民事再生法に似たものです。
Bittrexはチャプターイレブンに従い、経営を続けながら負債削減を探ります。
ほかにもBittrex Malta、Bittrex Malta Holdingsという2つのグループ企業も破産申請中です。
デラウェア州連邦破産裁判所に出された書類では、Bittrexの破産申請時における資産や負債、債権者などのデータが記されています。
それによると資産は推定約5億~10億ドル(約675億~1351億円)です。
ただし負債額も同じく推定約5億~10億ドルになっています。
そして10万人以上の債権者を抱える状況です。
Bittrex内の顧客資産は安全な状態で保管されています。
しかし顧客による資金請求や、Bittrexから顧客への分配については破産裁判所が決める形です。
以上から破産申請時点では、取引所内の口座がロックされています。
グローバル版であるBittrex Globalは、米国外の顧客に対してサービスを続ける方針です。
しかし拠点である米国での破産申請から、利用者の減少が想定されます。
Bittrexは、破産手続きに関連する情報を随時公開するとしています。
いずれにしても米国の大手取引所の経営破綻は、仮想通貨業界にネガティブな影響を与えるでしょう。
Twitterでは以下の口コミがあります。
米国大手の仮想通貨取引所Bittrexに何があったのか
Bittrexの破産は、いかなる取引所でも何が起きるかわからないことを示しています。
同社は2014年の設立以来、世界中で話題となり、日本でもその名前が知られるほどでした。
上場していた仮想通貨は200種類以上です。
メジャーな銘柄だけでなく「草コイン」と呼ばれるマイナーなものも扱っていました。
そのため珍しい通貨の入手や、分散投資などに向いていたでしょう。
The Blockのデータによると、スポット取引のシェアにおいてBittrexは、2018年1月に20%を超えていました。
しかし2021年までには1%を下回り、回復の兆しが見られませんでした。
つまり業績不振によって、破産申請を余儀なくされたのでしょう。
CoinbaseやKrakenといった米国での競合他社との争いに敗れ、人気が低下したのが原因とされます。
破産申請直前の4月、BittrexはWilliam Shihara前CEOとともに、SEC(米証券取引委員会)から提訴されていました。
SECは同社について、投資家に未登録の有価証券を提供していたと主張しています。
アルゴランド(ALGO)をはじめ、Bittrexに上場していた6銘柄が、SECによって有価証券とみなされたのです。
さらにグローバル版であるBittrex Globalも、事業登録をしないままサービスを提供しているとして、SECから訴えられています。
一方でBittrexは、有価証券の提供を否定し、裁判で争う姿勢を見せていました。
またBittrexは、4月30日で米国事業を終了しています。
米国内での規制の不透明さを原因に挙げていました。
しかしもともとスポット取引のシェアが少ないため、業績不振も原因と考えられます。
いずれにしてもBittrexは、さまざま悪条件が重なったことで、破産申請を余儀なくされたのでしょう。
まとめ
米国の有名取引所であるBittrexが破産申請をしました。
CoinbaseやKrakenに押され、業績不振に見舞われたのが原因でしょう。
またBittrexは米国内での規制の不透明性を主張しており、この背景から4月で米国事業を終了していました。
今後は経営再建の道を進みますが、どうなるのでしょうか。