要点
・同取引所は、公式サイトにて、顧客に対し、残りの資金を支払うと発表しています。
目次
ロシア仮想通貨取引所Livecoinがサービス停止
2020年12月にハッキング疑惑が浮上したロシアの仮想通貨取引所Livecoinが、ユーザーに330万ドルの損失をもたらしたハッキング攻撃の後、同取引所のサービス停止を発表しました。
Livecoinは公式サイト上で、ハッキング被害により厳しい決断を下したとして取引所のシャットダウンすることを発表し、次のように述べました。
私たちのサービスは2020年12月に攻撃を受け、現在調査中の段階にあります。私たちのサービスは、技術的および財政的な方法で大きな被害を受け、このような状況では事業を継続する方法がないため、事業を閉鎖し、残りの資金を顧客に支払うという厳しい決断を下します。
Livecoinへの攻撃は、ビットコイン(Bitcoin/BTC)価格が2万ドルを超えて上昇していた2020年12月末に発生しました。
12月23日、23,000ドルで取引されていた際、Livecoinでのビットコイン価格は前例のない高騰により、450,000ドルに急騰していました。
Livecoinのハッキング被害の全容
12月24日のクリスマスイブ、同取引所は計画的な攻撃を受け、一部のサーバーの制御を失い、顧客にサービスの使用を停止するよう警告したと述べました。
ハッカーは、ビットコイン106 BTC、イーサリアム380 ETH、ビットコインキャッシュ236 BCH、リップル567,012 XRP、ドージコイン6680万DOGEのほか、金額は不明なものの、テザー(Tether/USDT)とERC-20が被害に遭ったことが分かっています。
さらに、被害にあった仮想通貨のうち、イーサリアム系トークン(ERC-20)については分散型取引所UniswapでDAIと交換され、仮想号通貨取引所KuCoinに送られたという。
Livecoin公式サイトの案内によると、同取引所ユーザーは2020年3月17日までに払い戻し請求する必要があり、以降は払い戻し請求に応じないと述べています。
LivecoinはLivecoin.news へ移動
LivecoinはメディアチャネルをLivecoin.newsに移動しており、現時点で唯一の公式情報源となっていますが、一部ユーザーからは、livecoin.newsドメインで提供されたメールアドレスが機能していないと述べているとのこと。
Livecoin.newsサイトが取引所によって管理されているという唯一の証拠は、前述のTwitter投稿であると述べ、最新の発表に慎重な見方をするユーザーも。
ただし、一部のクライアントは、払い戻しリクエストを送信できたと述べているものの、特定の情報の提供を求められました。
ユーザーが求められた特定情報には、最初の預金の詳細や政府発行のIDカードのコピー、住所の証明、IDカードとLivecoin登録日が書かれた紙のセルフィーや取引所にログインするために最も使用されるデバイス、および資金源の証明書の提出が含まれているとのこと。
詳細な個人データを必要としているLivecoin側に対し、ユーザー側は、取引所で実際に何が起こったかについての詳細な情報を要求する反訴を行うべきであると提案しています。
取引所運営がベールに包まれたままのLivecoin
Livecoinは2015年4月から稼働している仮想通貨取引所で、ハッキング前の1日あたり約1,600万ドル、約16億円超の取引がありました。
現時点でLivecoinの所有者はスヴェトラーナ・ゲラー(Svetlana Geller)とイヴォナ・ズロトヴァ(Ivona Zlatova)が最高経営責任者(CEO)であると伝えられているものの、これまで両者社は本物ではないとの声も多く聞かれており、実際の経営者は不明のままです。
Livecoinは最後に次のように述べています。
誰にも送金しないでください。私たちから資金を取り戻すためにお金を払う必要はありません。必要なのは、リクエストを送信して簡単な手順に従うことだけです
なお、Livecoinはサーバー攻撃でユーザーがどれだけの被害を受けたかなどの発表はされていません。