仮想通貨取引所であるHTX(旧Huobi Global)が、ハッキング被害に遭いました。
アドバイザーのジャスティン・サン氏によると、約12億円相当のイーサリアムが盗まれたそうです。
一方で問題はすべて解決済みで、ユーザーの資産への被害はないとしています。
ハッキング被害について詳しく見ていきましょう。
要点
HTXのハッキング被害について
HTXがハッキング被害を受けました。
アドバイザーのジャスティン・サン氏はX(旧Twitter)における25日のポストで、被害状況を明かしています。
訳:HTXはハッキング被害により5000ETH(800万米ドル)の流出を受けました。HTXは攻撃による被害から完全に立ち直っており、関連する全問題を無事に解決しています。全ユーザーの資産は#SAFU(無事)であり、プラットフォームも完全に通常どおり稼働中です。
サン氏は今回のハッキングで、イーサリアムの流出を明かしました。
一方で致命的なダメージは負っていないようです。
ポストを見る限りはユーザーの資産が守られ、プラットフォームの機能にも損害が及んでいないからです。
サン氏の一連のポストによると、HTXは約30億ドル(約4460億円)のユーザー資産を管理しており、被害が小規模であることを語っています。
盗難額については、HTXでの2週間分の利益に相当するとのことです。
今回のようなハッキングで、不安になるユーザーもいるでしょう。
HTXはユーザーの資産への被害がないと主張していますが、今後別の取引所で被害規模が大きいと、ユーザーまで損害を受けるかもしれません。
今後のハッキング対策として、ユーザーには複数ウォレットを使った仮想通貨の分散管理が推奨されます。
加えて一定水準のセキュリティがある取引所やウォレットを使いましょう。
Xでは以下の口コミがありました。
HTXはハッカーに盗難資産の返金を要求
サン氏は25日のポストで、ハッカーに対し資産の返還を要求しています。
全額返金によって、ハッカーに対し盗難分の5%を与えるとのことです。
一方で7日以内に返金しないと、法執行機関に情報提供すると明かしています。
仮想通貨取引所の責任者として、自らハッカーに誠意ある対応を求めました。
それだけでなくサン氏は、ハッカーを自社へ雇用する可能性もあります。
ハッカーが盗難資産を全額返金すれば、ホワイトハッカーのアドバイザーとして迎え入れるからです。
日本ではあまり考えられない要求でしょう。
サン氏はハッカーが誠意を示せば、寛大な措置を行う様子です。
一方で誠意ある対応がなければ、法的措置も辞しません。
HTXはHuobi Globalから改名したばかり
HTXは9月13日に、Huobi Globalから改名しました。
グローバルブランドとしてのリブランディングのためです。
Hは「Huobi」、Tはサン氏が開発に携わった仮想通貨「TRON」、Xは「Exchange」を意味します。
世界戦略を見据えて、生まれ変わりをアピールしたかったのでしょう。
しかし改名から間もないときに、Huobiはハッキング被害を受けました。
そのためセキュリティに関して、課題を残した形です。
HTXは改名時点で、資産のセキュリティの向上もアピールしていました。
以上から今回の事件で、グローバルブランドとしての資質を問われそうです。
新体制の矢先にハッキング被害を受けたHTXですが、今後どのようにイメージを回復させるのでしょうか。
まとめ
HTXがハッキングにより、多額のイーサリアムを盗まれました。
しかし同社はユーザー資産に対する被害はなく、通常どおりの営業継続をアピールしています。
グローバルブランドとしてHuobi Globalから改名したばかりですが、その矢先に被害を受けました。
以上から信頼回復の可能性に、関心が寄せられるでしょう。
今後もどの取引所がハッキング被害を受けるかわかりません。
ユーザーの皆さんは預金先の分散や、セキュリティの高い取引所やウォレットの活用などで、盗難対策を施しましょう。