ブルームバーグの報道によると、日本の仮想通貨交換業者の自主規制団体であるJVCEA(日本暗号資産取引業協会)が、仮想通貨の審査方法を従来より簡潔にすることを考えています。
こちらは取引所自体を審査する金融庁とは違い、仮想通貨の健全性をチェックする機関です。
しかしこうした審査の簡略化により、取引所の新規参入が容易になる可能性もあります。
JVCEAが検討中のプランについてまとめました。
要点
JVCEAが仮想通貨審査をシンプルに変える?
JVCEAが仮想通貨審査の簡略化を目指しているようです。
ブルームバーグで「事情に詳しい複数の関係者」が明らかにしました。
まだ検討段階ですが、公式発表で審査の簡略化がわかれば、より多くの仮想通貨が国内に上陸しやすくなります。
現時点では審査簡略化で、十数にわたる通貨がすぐに取り扱えるようになるそうです。
審査簡略化の条件として半年以上にわたる国内での流通、3社以上の取り扱いなどが挙がっています。
以上の条件だけでもビットコイン、イーサリアム、リップルなど約15種類が以上に当てはまります。
新たに参入する取引所にとっては、条件を満たした通貨を簡単な審査で取引開始できるかもしれません。
このニュースについて、さまざまな口コミが寄せられています。
これまでの審査との違い
審査簡略化により、取引所の仮想通貨が扱いが従来より容易になるでしょう。
従来では取引所が新通貨上場を申請すると、半年以上の査定が必要でした。
この場合は仮想通貨の新規上場に時間がかかり、ほかの業者に遅れをとってしまいます。
サービスの充実性を満たすうえで取引所に遅れると、ユーザーを取り逃がすでしょう。
しかしJVCEAのルール簡略化により、取引所は査定プロセスを省略できます。
新規参入者も、取引開始の段階から一気に10種類以上を上場できるかもしれません。
仮想通貨交換業者同士の自由な競争が狙いか
JVCEAのこのような動向には、仮想通貨交換業者同士の自由な競争をさせる狙いが見られます。
2021年にはコインベース、デジタルアセットマーケッツ、マーキュリーなど多数の新規参入者が、金融庁から正式業者としての登録を受けました。
しかし始めたての業者では、提供できるサービスが限られています。
限定的な上場数など、少ないリソースで顧客を満足させるには、試行錯誤を要するでしょう。
上場通貨数が少なくて不利になる可能性がネックです。
たとえばコインベースの場合、アメリカでは100以上の通貨を扱っています。
しかし日本では以下の5種類だけです。
・イーサリアム
・ライトコイン
・ビットコインキャッシュ
・ステラー
上場数が少ないとサービスの規模にも限りが出るので、ユーザーを集めづらくなります。
以上からも審査の簡略化は、国内での新規参入者にとって重要でしょう。
仮想通貨の審査簡略化で何が起きる?
仮想通貨に対する審査が簡略化すれば、さまざまな影響が起きるでしょう。
メリットは珍しい通貨が上場を許され、ユーザーに買われやすくなることです。
ユーザーにとっても仮想通貨ごとの特徴の違いを、さまざまな種類に見出せるようになります。
一方でデメリットは珍しい通貨だと不安定な相場に巻き込まれ、損をするリスクです。
ビットコインやイーサリアムよりシェアが少ない通貨だと、この傾向が強まるでしょう。
以上から国内での知名度が低い通貨は、上場してからしばらくは注意が必要でしょう。
しかし国内未上場ながら海外で人気の通貨は、ビットコインと違った特徴を秘めています。
こうした通貨の将来性を見出せば、利益を上げられるかもしれません。
まとめ
JVCEAの仮想通貨審査簡略化は、業界に影響を与えそうです。
取引所が多くの通貨を扱えるようになったり、国内初上陸の通貨が次々と現れたりする可能性があります。
珍しい通貨の取り扱いには注意が必要ですが、市場を盛り上げる可能性を秘めています。
今後のJVCEAの動向次第では、日本の仮想通貨市場のあり方が変わるかもしれません。