2014年にハッキング被害などから経営破綻したマウントゴックスですが、近日中に弁済が始まりそうです。
2023年3月以降の実施を予定しており、手続きの詳細が発表されました。
今回は2014年に起きたマウントゴックス事件の詳細を踏まえ、同社の対応状況を解説します。
要点
マウントゴックス事件とは
マウントゴックス事件とは、2014年に仮想通貨業界を揺るがしたスキャンダルです。
当時はまだ仮想通貨がそこまで認知されていませんでしたが、当時の業界関係者や投資家を騒がせました。
マウントゴックス社は東京都を拠点として、2010年から取引所として活動していました。
しかし2014年にハッキング被害がわかります。
この結果、ビットコインや預かり金が大半にわたり流出したのです。
ハッキングにより利用者の多くが経済的被害に遭いました。
被害額は当時の市場価格換算で約470億円相当です。
取引所にビットコインを預けていた約12万7000人が被害を受けています。
マウントゴックス社は2014年4月24日に破産手続きを始めて以来、取引所として活動していません。
2018年6月22日に民事再生法手続きに移行しています。
2023年3月2日現在も、被害救済などの残務処理が続く状況です。
マウントゴックス事件は仮想通貨のコンプライアンスを考えるきっかけになりました。
日本でも仮想通貨関連の法整備などが進められています。
それだけ影響力の大きな事件でした。
マウントゴックスは仮想通貨の歴史を揺るがした存在として、今も語り継がれています。
マウントゴックスによる弁済について
マウントゴックスは2023年1月6日にプレスリリースを出しました。
そこには弁済計画の詳細が示されています。
リリースによると2023年3月10日に、弁済方法選択や弁済先情報の登録期限を設けています。
被害額の救済を受けたい場合は、そのときまでに上記手続きを済ませなければなりません。
弁済を受ける方法は以下の4つです。
・仮想通貨による一部の同再生債権への弁済
・銀行送金
・資金移動業者を通した送金
今回のリリースでは、不必要な登録手続き内容変更を控えるようにとのお願いもあります。
登録期限以降にマウントゴックス社側が弁済者情報の確認を進めるので、そのミスをなくすためでしょう。
マウントゴックスは弁済手続きの登録期限以降に、なるべく早く弁済を始める予定です。
基本弁済や早期一括弁済、中間弁済の各期限日は2023年9月30日に決まっています。
着実に弁済準備が整っていると読めるでしょう。
Coinpostによると早期一括弁済を選んだ債権者は、マウントゴックス社から債務額の90%を受け取れる見通しです。
しかしこれ以外の方法を選ぶと、原則として破産関連の民事訴訟の決着を待つしかありません。
Coinpostは一部情報筋の言葉をもとに、訴訟決着まで5年以上かかると見立てています。
また仮想通貨による弁済を求める場合は、代理受領業者であるSBI VCトレードとbitbankを通して受け取ることになります。
いずれにしても弁済の詳細により、事件解決までの前進がわかりました。
マウントゴックスの動向について、Twitterからは以下の口コミがあります。
まとめ
マウントゴックスは2014年にわかったハッキング事件以来、残務処理に追われています。
今回は債権者への弁済計画がわかりました。
被害救済の見通しがある程度ついたことで、安心するユーザーもいるでしょう。
一方でマウントゴックスの事件は、世界的に仮想通貨の法整備の機運につながりました。
日本でも金融庁の主導により、コンプライアンスの徹底が進んでいます。
取引所によるハッキングはマウントゴックス以後も起きているため、今後のユーザーの注意と、事業規則の明確化が求められます。