SEC(米証券取引委員会)は6日、米国の仮想通貨取引所であるCoinbaseを提訴しました。
前日のBinanceに続き人気取引所を提訴したため、業界だけでなく経済界全体を騒がせています。
SECの動向に賛否両論の声があるので、詳しく見ていきましょう。
要点
SECがCoinbaseを提訴
SECは6日、Coinbaseを違法運営の疑いで提訴しました。
訴状では一部仮想通貨を有価証券とみなしており、Coinbaseが2019年以降に投資家保護のための開示義務をせずに収益を得ていたと主張しています。
SECは一部仮想通貨を有価証券とみなしており、正規の登録手続きをせずに販売していることが、Coinbaseに対する訴訟の理由とされます。
同日にはカリフォルニア州をはじめ10の州が、Coinbaseへの措置を発表しました。
ステーキングをめぐる証券法違反が理由です。
これは仮想通貨を預けたユーザーに報酬提供するサービスで、集まったぶんは主にブロックチェーンネットワークの活動に使われます。
しかし米国の一部州はCoinbaseに対し、違法なステーキングサービスの運用を指摘しました。
一方でCoinbaseは通常どおりに業務を続けるとしつつ、法令順守を示してきたと主張しています。
Binanceに続き、CoinbaseもSECとの対決姿勢を示しそうです。
Twitterでは以下の口コミがありました。
SECの決定を支持する声
今回のSECの決定に対し、賛否両論が起きています。
彼らを支持する人物の代表例が、米国のジャネット・イエレン財務長官です。
CNBCの番組である「Squawk Box」で、財務省が仮想通貨関連の報告書で多くのリスクを特定したと明かしました。
そのうえでSECによる投資家保護に向けた行動を支持すると述べています。
さらにイエレン氏は、さらなる規制の必要性がわかっているとして、議会と協力する考えです。
イエレン氏は仮想通貨に関するさまざまなリスクを把握しており、SECの行動を投資家保護の一環と見ています。
このように要人によっては、SECの相次ぐ提訴を支持する状況です。
Coinbaseや裁判所がSECを疑問視
しかしSECの行動に対して、多くの批判も起きています。
ロイター通信の7日報道によると、Coinbaseのブライアン・アームストロングCEOが、SECのゲーリー・ゲンスラー委員長を「異端者」と呼ぶなどして非難しました。
さらにCEOは自社がSECへの登録を打診しながら、まともに取り合ってもらえなかったことを述べています。
また米国控訴裁判所は6日、SECに対してCoinbaseが出した仮想通貨の規則制定請願に、1週間以内に回答するよう命じました。
回答命令の根拠として、ゲンスラーSEC委員長がデジタル資産の規制が充分だという発言や、請願決定を下さずに強制執行措置を取っていることを挙げています。
つまり規制の明確化をしないまま、仮想通貨企業の提訴を続けている可能性を深刻にとらえているのでしょう。
このようにCoinbaseだけでなく、裁判所もSECの提訴に疑問を呈しています。
果たしてSECはどのように対応するのでしょうか。
まとめ
SECのCoinbaseに対する提訴が波紋を呼んでいます。
ジャネット・イエレン財務長官のように支持する声もありますが、Coinbase側が嫌悪感をあらわにしました。
また裁判所もSECに誠意ある対応を求めるなど、彼らの行動は疑問視されています。
賛否両論を受けるSECですが、今後どのような動向を示すのでしょうか。