9日に米SEC(証券取引委員会)が、仮想通貨取引所クラーケンを起訴しました。
同社のステーキングサービスが、無登録証券と指摘されたからです。
しかし今回のターゲットがクラーケンのサービスだけかわからないため、イーサリアムステーキングサービスへの影響も考えられています。
イーサリアムで次期アップグレード「Shanghai」が迫るなか、ステーキングの未来は守られるのでしょうか。
SECの提訴がステーキングサービスに与える影響を考えます。
要点
米SECがクラーケンを起訴した理由
米SECによる仮想通貨取引所クラーケンの起訴は、同社のステーキングサービスの違法性を問うものです。
SECはこのサービスについて、無登録証券のままの提供による違法状態と考えています。
クラーケンが起訴を受けた原因として、情報の透明性不足が挙がっています。
ステーキングについて最大年利21%の報酬を示しつつも、報酬源の詳細が不明確だったからです。
今回の起訴で、クラーケンは罰金や不正利得などの費用を払いました。
その金額は約3000万ドル(約39億円)です。
さらに米でのステーキングサービスを取りやめることで、SECと合意しました。
米SECのこのような措置が、ステーキングの概念に影響を及ぼすかもしれません。
今回の報道について、Twitterからは以下の口コミがありました。
米SEC委員長はあくまでもステーキングに中立と主張
米SECのGary Gensler委員長が、CNBCで10日放送の「Squawk Box」に出演しました。
Coinpostが、その模様を要約しています。
「Squawk Box」でGensler委員長は、ステーキングのような技術には中立と主張しました。
彼はステーキングサービスやレンディング、年利といった表現が重要ではないとしています。
あくまでも経済的なリスクからの投資家保護が大事とのことです。
さらに委員長はクラーケンらに対し、ステーキングのような投資契約サービスをするなら、ウェブサイトのフォームから登録を済ませればよいと語りました。
以上からステーキング自体への敵視は否定しています。
SECとしてはあくまでもクラーケンを起訴しただけで、ステーキングのような特定技術をつぶすつもりはないようです。
こちらの主張にも、Twitterから以下の口コミがありました。
SECの動向がイーサリアムステーキングに与える影響は?
今回のSECの動向が、イーサリアムステーキングに与える影響が指摘されています。
しかしこの報道だけでは、ステーキング自体が打撃を受ける可能性はなさそうです。
Coinpostは、SECのクラーケン起訴をめぐり、有識者の反応を紹介しています。
それによるとSECによる米企業へのステーキングサービス禁止があれば、イーサリアムには前向きとの声があります。
中国の仮想通貨規制を受けて、ビットコイン採掘事業者がグローバルに分散した事例があるからです。
ここからSECの動向は、上記と同じようなイーサリアムネットワークの健全化につながるといいます。
また弁護士のGabriel Sapiro氏は、クラーケンのステーキングについて利回り商品の提供と紹介しています。
ここからCoinbaseや分散型プロトコルLidoが手がけるようなステーキングとは違うと語りました。
しかしCoinbaseのブライアン・アームストロングCEOは、SECによるネガティブな影響を考えています。
ステーキングのような技術が、米国外へ逃げる可能性があるからです。
ここから国家安全保障のリスクまで指摘しています。
イーサリアムは2023年にアップグレード「Shanghai」を予定しており、そのあとにステーキング中のイーサリアムの出金が可能になります。
財団は公式ブログで、出金開始に向けた次期テストを、2月28日に実行すると明かしました。
米SECの動向はイーサリアムステーキングに対して、すぐには影響しなさそうです。
しかし長期的に見れば、米国内での規制次第で、どう転ぶかわかりません。
まとめ
SECによるクラーケンへの起訴が話題です。
クラーケンは起訴を受け、ステーキングサービスの停止を決めました。
このような動向が、イーサリアムステーキングに影響を与えるかもしれません。
しかしSECは特定技術に対する中立性をアピールしています。
クラーケンのステーキングについては利回り商品であり、他社とは違うという指摘もある状況です。
有識者の間ではイーサリアムのさらなるグローバル化で、ポジティブになる可能性も考えられています。
一方で米国での過剰な規制により、技術の国外逃避の懸念もあるようです。
クラーケンのステーキング問題は、現状ではイーサリアムに影響を与えないでしょう。
しかしこのような出来事の積み重ねで、これからの印象が変わるかもしれません。