米国の仮想通貨マイニング企業であるCompute Northが、22日に破産申請を出しました。
米連邦破産法11条の適用を求めており、同国では「チャプターイレブン」とも呼ばれます。
申請時には約5億ドル(約700億円)もの負債を抱えており、債権者は約200社にも及ぶそうです。
イーサリアムの大型アップグレード「The Merge」の影響もあり、マイニング業界は転換期を迎えます。
この影響でCompute Northに限らず、今後も破産企業が現れるかもしれません。
Compute Northの破産申請を踏まえ、マイニング業界で予測される変化を見ていきましょう。
要点
Compute Northの破産について
米Compute North社は、22日に米連邦破産法11条適用を求めました。
このとき約700億円の負債を抱えています。
債権者は約200社にも及ぶなど、状況は深刻です。
Compute Northは2021年に、マイニング施設の性能を最大1.2ギガワットに広げる計画を明かしました。
2022年第2四半期末までに、新しい施設を5つ作ろうとしていたのです。
最近も攻める事業を見せていただけに、今回の破産にショックを受けた人もいるでしょう。
このようにCompute North社の破産は、今後のマイニング業界に影響を与えそうです。
同社の破産について、Twitterでは以下の口コミが挙がっています。
Compute North破産の原因は?
今回の破産の原因として、以下の3つが挙げられます。
・電気コスト上昇
・ビジネスパートナーGenerate Capitalとの関係悪化
仮想通貨市場の低迷は、最近の世界経済におけるインフレが原因です。
これにより一時期暴落が相次ぎ、マイニング以外の仮想通貨企業の破産も見られました。
今後もアメリカを中心に政策金利上昇の機運が続いているため、マイニングの報酬にも影響がありそうです。
世界的なインフレは、電気コストにも響いています。
とくにPoWというコンセンサスアルゴリズムで動く仮想通貨は、マイニング時の消費電力が大きいのが難点です。
Compute North社は、インフルへの対応がうまくできず、経費が膨らんでしまったのでしょう。
Coinpost報道によると、Compute Northは、ビジネスパートナーであるGenerate Capitalとの関係悪化も語っています。
最高財務責任者Harold Coulby氏が裁判所に出した宣誓書によると、GenerateがCompute Northの建設中資産を差し押さえました。
Generateはその理由を、融資契約の技術的要件を果たしていないからとしています。
いずれにしても資産差し押さえが、今回の破産につながったようです。
Compute Northは、裁判所から破産手続き中の事業継続を認めてもらいました。
これを機に同社は、事業再編成や施設売却を検討中といいます。
いずれにしてもCompute North社は、今後も苦しい道のりをたどりそうです。
仮想通貨マイニング業界で今後も破産が出る?
仮想通貨マイニング業界では、今後も破産のニュースが出るかもしれません。
人気通貨のひとつであるイーサリアムが、大型アップデート「The Merge」を成功させたからです。
これによりコンセンサスアルゴリズムがPoWからPoSに変わります。
PoWではデータ処理計算の速いノードが、ブロック生成や取引承認に成功しやすい性質です。
これが成功報酬につながることから、マイニング用機械を使ってビジネスをする企業があります。
しかしイーサリアムのPoSは、仮想通貨への貢献度が報酬獲得につながるのが特徴です。
たとえばイーサリアムを多く持っているほど、ブロック生成や取引承認がうまくいきやすいといえます。
つまり優秀な機械も、報酬の可能性には関係ありません。
このような情勢変化に適応できない限り、今後もマイニング企業の破産が現れるでしょう。
まとめ
米の仮想通貨マイニング企業であるCompute North社の破産が、問題になっています。
負債総額は約700億円で、債権者も200社残っている状況です。
イーサリアムのPoS転換により、今後もPoW用機材をもてあまし、破産する企業が現れるかもしれません。
今後のマイニング業界の動向には、注意が必要です。