仮想通貨のヘッジファンドであるThree Arrows Capitalに、破産が報じられています。
Sky Newsをはじめ複数のメディアによると、裁判所から清算命令を受けたとのことです。
ここでの清算は、企業としての破産とされます。
債務不履行が現実となったため、今後の活動が絶望的になったのでしょう。
Three Arrows Capitalの現状をまとめました。
要点
3AC破産報道の背景
「3AC」の略称でも知られるThree Arrows Capitalに、破産報道が出ました。
6月27日に英国領ヴァージン諸島で、裁判所からの清算命令が出たとされます。
債務不履行が事実となった今、3ACに打つ手はないのでしょう。
一連の騒動において、Three Arrows Capitalは債務整理が難しいという指摘を受けています。
ピーク時には日本円で1兆円を超える資産運用をしていたとされるからです。
多額の運用機会があるとき、一度資金繰りが苦しくなると、運営に悪影響が及びかねません。
運用額が多いほど債務を果たせないリスクが高まるからです。
債務不履行リスクに耐えられず、3ACは破産まで報じられてしまいました。
今回の3ACは仮想通貨を扱っているため、最近の相次ぐ暴落から大きな実害を受けていたのでしょう。
たとえばディペッグ騒動で仮想通貨業界を騒がせたテラフォームラボのプロジェクトにも、3ACの投資がありました。
テラフォームラボが扱うテラ（LUNA）やテラUSD（UST）の暴落によって、3ACは決定的な損害を受けたとされます。
そのあともThree Arrows Capitalにはネガティブな報道が相次ぎました。
複数取引所におけるポジション清算も明らかになっています。
以上からThree Arrows Capitalの財政事情は、段々と悪化していたのでしょう。
テラの騒動をはじめとした、通貨変動リスクに対応しきれなかったのが原因とされます。
通貨変動と、多額運用による債務不履行という2つのリスクが現実となりました。
この背景が、現在の3ACの危機につながっています。
3AC破産報道について、以下のような口コミも寄せられました。
Voyager Digitalによる3ACへの債務不履行通知
CoinpostによるとVoyager Digitalは6月27日に、Three Arrows Capitalへの債務不履行通知の発行を明かしました。
3ACに対して1万5250BTC（約430億円分）と3.5億USDC（約474億円分）の返済を27日までに済ませるよう伝えていたそうです。
しかし返済が果たされなかったことから、債務不履行が決まりました。
Voyagerの報道は、3ACの財政状況が致命的だと知らしめたでしょう。
債務不履行は企業としての信頼性がないことを示すからです。
以上から3ACの破産決定は、時間の問題かもしれません。
3AC破産による仮想通貨市場への影響は？
3AC破産報道は、仮想通貨市場への波及も考えられます。
ビットコインも今週に入ってから、また下落トレンドに向かっている状況です。
GMOコイン販売所の日足チャートを確かめましょう。
債務不履行報道の27日から28日にかけて下落しています。
破産報道があった30日は比較的大きな下げ幅です。
以上から3ACのネガティブな報道が、売り圧力を強めている可能性があります。
まとめ
渦中のThree Arrows Capitalですが、ついに破産を報じられてしまいました。
Voyager Digitalに対する債務不履行が決定的だったでしょう。
その前からもテラフォームラボのトラブルの影響や、複数の取引所でのポジション清算など、不穏な兆候が見られています。
今回の報道では裁判所からの清算命令が出たとされる状況です。
以上からThree Arrows Capital騒動の余波はまだ続くでしょう。
今後の仮想通貨市場への影響も懸念されます。
このままThree Arrows Capitalが事業停止となれば、大変残念です。
