【要点】
・逮捕された容疑者らは、オンライン賭博を開き、利用者らにギャンブルを提供していたほか、スウェーデンのオンラインライブカジノへ誘導していました。
・また、ベトナム警察の調査により、違法仮想通貨オンライン賭博に関与していた容疑者ら、59人が逮捕されました。
ベトナムで仮想通貨オンライン賭博を提供していた容疑者らを逮捕
ベトナム警察は、オンラインカジノへの斡旋した4人のベトナム人を逮捕しました。
逮捕された容疑者らは、利用客のウォレットからEthereum(イーサリアム/ETH)、Tether(テザー/USDT)、トロン(TRON/TRX)の盗難事件を調査して逮捕されており、この調査によって関係者ら59人が逮捕されました。
ベトナム警察は、ホーチミン市内での開かれていたオンライン賭博場の関係者とみられる59人を逮捕しました。
逮捕された59人の容疑者らは、投資家らから約4,295億円以上の利用者の資産を盗んだ容疑で逮捕されています。
ベトナムのサイバーセキュリティ、ハイテク犯罪防止管理部門、刑事警察署、ホーチミン市警察署で構成されるベトナムの法執行機関によると、違法オンライン賭博場は、フイン・ロング・バッハ(HuỳnhLong Bạch)容疑者、フイン(Huỳnh)容疑者、ロング・ヌー(Long Nhu)、ファ・ティ・マイ・ナン(PhạmThị Mai Ngân)容疑者、グイン・ダッ・クイ(Nguyễn Đắc Quý)容疑者らが中心となり、実行されていた事を現地メディアが報じています。
利用客らは、仮想通貨取引所Remitanoで仮想通貨ウォレットにサインアップ。
ETH、TRON、USDTをロードし、騙されていたとみられています。
その後、Swiftonline.liveとNagaclubs.comにて賭けをするために使用されていましたが、これらは、スウェーデンのオンラインライブカジノであるEvolutionGamingへ誘導する仲介サイトであったことが分かっています。
なお、逮捕された容疑者らは、ベトナムの顧客をオンラインカジノへ誘導させるため、EvolutionGamingから委託を受けたことを認めています。
ただし、EvolutionGamingは、ギャンブルが違法である法域でライブリモートテーブルにアクセスできることを現在も否定しています。
犯罪者は、活動が活発化した時期にサイトを停止させ、利用客の仮想通貨ウォレットを襲撃。
利用客らは、ソーシャルメディアから同計画に引き込まれていたとみられています。
また、保険を提供することで、ギャンブルやカジノに精通した利用者らを誘惑。
6回連続で負けた利用客に対し、ゲーム終了後に払い戻しを約束していた事も分かっており、警察は事件をさらに調査するために調査チームを編成しています。
ベトナム警察はギャンブラー逮捕のために戦う
ベトナム警察は、ベトナム国内での違法なギャンブルと戦うため、困難な戦いを繰り広げてきました。
ベトナム政府は、国民とベトナムを訪れる外国人が6つの実店舗カジノに賭けることを許可しています。
その一方で、オンラインギャンブルとプライベートカードルームについては固く禁止しています。
また、スポーツベッティングについては、国民が特定カジノでギャンブルをすることを許可された後、2017年に5年間のパイロットプログラムの下、ベトナムで合法化されています。
今回発覚した事件は、ベトナム規制当局による世界的な規制の要求に信憑性を与えたとみられています。
仮想通貨を使用して匿名で国境を越えてお金を移動することは、規制当局の目には大きなリスクです。
トランザクション内のお金の流れを追跡しようとする場合のは、KYC(本人確認義務)およびマネーロンダリング(資金洗浄)防止ポリシーが重要な鍵です。
ブロックチェーンのトランザクション解析を手掛けるElliptic(エリプティック)やブロックチェーンに関連したデータやソフトウェア、リサーチなどを手掛けるChainalysis(チェイナリシス)などの企業は、法執行機関がどのウォレットがどの犯罪グループに属しているかを追跡するのに役立つツールを開発しており、今後も増え続ける仮想通貨に関連した犯罪に大きく貢献しています。