要点
・国連が既存の銀行口座が不要になると指摘
金融庁が分散型金融についてサイト開設!
今月5日、金融庁はウエブサイトにて『分散型金融システムのガバナンスの課題についての取組み』と題する特設ページを開設しました。
金融庁は、ブロックチェーン技術によってもたらされた分散型金融システムについて、仲介者の居ないP2P(Peer to Peer)取引を実現する可能性がある事を指摘。
分散型システムは便益をもたらす一方で、これまで政府などが主導してきた既存金融システムや規制などの執行能力が失われる可能性に言及。
このような危機に、日本が開催国となって昨年開催されたG20の場にて、ブロックチェーン技術に基づいた分散型金融システムのガバナンスに関連する問題を提起。
規制当局者や技術者など、幅広い分野との対話の強化が重要であるとし、各国で合意が得られたとしています。
金融庁では、このような考えから、今年3月10日には「Blockchain Global Governance Conference [BG2C]」特別オンラインパネル討論を開催。
この場にて、ブロックチェーンに関する新国際ネットワークで「Blockchain Governance Initiative Network [BGIN]」の設立が発表されています。
今後、金融庁では、BGINの一員として活動に貢献するとの意見を特設ページにて表明しています。
コロナショックが既存の環境を大きく変えた!?
電子マネーなどが登場し、支払いのスマートさを求める声の高まりとほぼ同時期、ブロックチェーン技術を使用した仮想通貨が登場すると、一気に世界中でキャッシュレス化が加速し、今ではほぼ現金のやり取りが実施されない国や地域も登場しました。
既存銀行や大手クレジット会社が有利に立っていた“決済”の分野で今、これまでにない危機に直面しています。
銀行に資産を預けると、預金者は利息を受け取れる事が既存銀行の利用促進に長年結びついていました。
しかし、ここ数年続く超低金利に加え、今年に入ってからはコロナショックの影響を大きく受け、さらなる低金利へと向かって行きました。
FRB(アメリカ連邦制度理事会)が今年3月、ゼロ金利政策を、4月にはトランプアメリカ大統領がFRBにマイナス金利政策の導入を要求。
日銀とヨーロッパ中央銀行がすでにマイナス金利を実施していることから、イングランド銀行も踏み切るのではないかとみられています。
国連が既存銀行口座が不要になると警笛
デジタル通貨の出現は、消費者に対して決済手段の多様化をもたらし、これまで独占状態であったともいえる既存銀行やクレジット会社のビジネス形態そのものも存続の危機い立たされている。
これらの問題は、既存銀行口座を持つ意味や必要性が失われるのではないかと国連でフィンテックとブロックチェーン分野の金融政策などの専門家を務めるブロックチェーン専門家Massimo Buonomo(マッシモ・ブオノモ)氏が指摘しています。
既存銀行危機は仮想通貨市場への追い風!?
コロナショックによる既存銀行の危機は、大手アメリカ誌のブルームバーグが2017年末の仮想通貨バブルを超える可能性があると報じた様に、仮想通貨市場にとっては追い風となっていると専門家は見ているようです。
アメリカ経済の上昇は、世界的な金融事情の安定をもたらしてきましたが、先月のアメリカの雇用統計は4月の失業率と比べて1.4%の改善を見せており、株式市場もナスダックが一時最高値を更新するなど、コロナショックからの驚異的な回復を見せています。
これらの驚異的なアメリカ経済の回復に加え、来月にはトランプ大統領が1兆ドル規模の経済刺激策を追加で実施すると発表。
コロナ禍により、外出制限やロックダウンで自宅待機を強いられる期間が長く続き、インターネットを通じたオンラインショッピングや決済が急増。
このような生活環境の激変は、ビットコインの需要を増加させたほか、先日実施された難易度調整など、ビットコインおよび仮想通貨市場へ好材料となりました。
このような背景や後押しもあり、今後もビットコイン価格が上昇を見せ続けた場合、既存銀行は大きくビジネスモデルを変える転換期となり、前出で伝えた様に銀行口座すら必要性が薄れていく可能性も高まっています。
コロナウイルスの出現は歴史的な出来事であり、その大きさは仮想通貨市場だけでなく、私達の生活スタイルそのものも大きく変えていく。
今の私達は全ての転換期または岐路に立たされているのではないでしょうか。